コンディショニングにおいて、サプリメントを使って局地的なアプローチを続けることはもちろん大事ですが、もっとそれ以前の基礎の部分に目を向けることも大事。そこで、人間が絶えず続けている“呼吸”に焦点を当てたコンディショニングをご紹介!これまで、呼吸力を上げるために「赤血球の質を高めること」、「赤血球の質を高める栄養素」についてお話しました。今回は、さらに栄養素について深堀していきます。

桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾 主宰。スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。

電子伝達系を元気にする

呼吸によって届けられた酸素が電子伝達系で電子と反応してエネルギーが作られます。酵素が電子伝達系まで届き、きちんと電子伝達系が動いているかが大切です。機能が落ちていると、エネルギーが効率的に作られていない状態のため、疲労が溜まりやすかったり、体調が崩しやすかったり、パフォーマンスが落ちてしまいます。つまり、酸素が運ばれる先の電子伝達系を元気にすることが大切です。

コエンザイムQ10

電子伝達系を元気にするには、還元型のコエンザイムQ10が効果的です。コエンザイムQ10という名称は女性には馴染みがあるかもしれませんが、コエンザイムQ10は簡単に言うと、電子伝達系というエネルギーを作り出す最終工程での電子運び役です。コエンザイムQ10が足りていれば、十分に電子を運ぶことができるのですが、足りていないと電子が運ばれにくくなってしまいます。本来、コエンザイムQ10は身体の中で作る成分で、逆に外から摂ることが難しい栄養素でもあります。

コエンザイムQ10を含む食べ物

コエンザイムQ10がたくさん含まれる食べ物として、イワシがあるのですが、そのイワシでも100gあたりで5㎎程度しか入っていません。ちなみにコエンザイムQ10は、毎日100㎎摂るといいと言われているので、食事だけで100㎎摂ることは現実的ではありません。

20歳を過ぎたら作られにくくなる?

それだけ外部で摂ることが難しい栄養素だからこそ体内で作られるようにできているのですが、コエンザイムQ10を作り出す合成能力は、20歳過ぎから落ちると言われています。つまり、エネルギーを作り出す能力は20歳を過ぎたら下降するもので、それは私たちにとって大きなハードルとなるのです。

“還元型”がオススメ

さらに詳しく分類すると、コエンザイムQ10には酸化型と還元型の2種類があります。体内では還元型として使われるので、酸化型のコエンザイムQ10は一度体内で還元型に変わらなければいけません。しかし残念ながら酸化型を還元型に変える能力も年齢と共に衰えていき、また酸化型が還元型に変わるときに活性酸素が生まれるというデメリットもあります。年齢的に疲れを感じるような場合や、ランナーのように大量に酸素を使う人は還元型のコエンザイムQ10がオススメです。

日頃からトレーニングに励んでいる方も、まずは呼吸力を意識してみてください。呼吸力が上がると、今まで以上にエネルギーを作ることができます。すなわち今までと同じ運動量でも疲労が残らなくなり、さらに意識を高く持てば今まで以上にトレーニングの量を増やすことも可能です。私たちの身体は、60兆個の細胞からできていて、突き詰めていけばその一つひとつをいかに活性化させていけるか、という話にも繋がります。それが呼吸なのかもしれません。

文:Woman’sSHAPE編集部

提供元・FITNESS LOVE

【関連記事】
筋トレ初心者必見!「筋トレメニューの組み方」トップボディビルダー2名が考えた特別メニュー
激痩せ法公開!驚きの”ビフォーアフター“8選
腹筋は毎日やるべき!?腹筋ワークアウトの頻度
肩トレで気を付けてほしい重要なこと
スポーツジムで聞きました!「みんなプロテインは1日何回飲んでいるの?」