ビタミンDと聞いて真っ先に連想することは何だろうか? おそらく「太陽の光を浴びると体内でビタミンDがつくられる」と答える人も多いだろう。ではもうひとつ質問だ。体内のビタミンDレベルを高めるために、毎日意識して欠かさず日光浴をしているという人はどれだけいるだろうか? おそらく、そんなことは意識しなくても毎日外には出かけるし、日中活動していればいやでも太陽の光は浴びているものだと考えているはずだ。そうだとしたら、これからはビタミンDをつくることを意識して外出しよう。なぜなら、ビタミンDは私たちの体の中でエネルギーをつくり出すための鍵となる物質であり、ビタミンDのレベルによっては、その人の競技能力やトレーニング強度に大きな影響が与えられるからだ。毎日屋外に出て無意識のうちに日光浴しているから、体内ではビタミンDが勝手につくられる。だとすればビタミンD不足の人などほとんどいないはずだが、実際は多くの人が知らないうちにビタミンD欠乏症に陥っているのだそうだ。そして、その状態を放置すれば当然、健康に悪影響が現れるようになる。結局のところ、ビタミンDについては太陽任せにしてはいけないのだ。普段の食事からもしっかりビタミンDが得られるような食事メニューを考えるべきなのである。
by Emmy Schneider-Green
ビタミンD が大切な理由
免疫力の強化
ビタミンDは免疫機能を活発にする作用がある。免疫機能が活発な人は風邪を引きにくく、その他の感染症にもかかりにくい。逆に、血中のビタミンDレベルが低い人は感染症にかかりやすく、実際に感染症にかかった患者を調べたところ、30%以上の患者がビタミンD不足であることが分かったのだそうだ。
体脂肪の減少
バリバリの体をつくりたいと思うなら、ビタミンDの働きを決して見くびってはいけない。なぜなら、ビタミンDは特に腹部の脂肪を減量するために強い作用を発揮するからだ。もちろん、ビタミンDさえあれば絞れるというわけではないが、良質な食事と定期的なワークアウトによってビタミンDの力を最大限に活かすことが可能になるはずだ。
脳をしゃきっとさせる
物忘れが多く、思考能力が鈍くなっていると感じるような場合、もしかするとビタミンDが不足していることが原因かもしれない。3千人の男性被験者を対象にした調査によると、記憶力や思考能力が優れていた被験者たちは、いずれも体内のビタミンDレベルが高かったそうだ。
歯や毛髪の健康維持
ビタミンDには歯や髪の毛を健康に保ち、性欲を高めたりする働きまでもがある。また、ガン患者の多くはビタミンDが欠乏している傾向にあるようだ。心臓の健康を維持するためにもビタミンDは不可欠であることから、ガン予防や心臓機能を健康に保つ目的でビタミンDを意識的に取り込んだり、高めるような食生活&日常生活を送ることが大切である。
居住地による違い
日光浴をするだけでビタミンDが体内で生成されることは周知のとおりだが、居住地によっては屋外に出ても日照時間が短かったり、晴れの日が少なかったりすると十分な量の光を浴びることができず、ビタミンDの体内レベルは低下してしまう。
アメリカの場合、居住地がアラスカであろうとフロリダであろうと、総合的に見てビタミンDレベルの低い人が多いことが分かっているため、やはり食事からのビタミンD摂取はとても重要になる。定期的に日光浴をしているからと安心するのは禁物だ。また、紫外線による皮膚への影響を懸念して日光浴を避けている人は、当然ビタミンDが不足しがちになるので、やはり食事からの摂取を心がけることが大切になってくる。屋外に出る機会は多くても日焼け防止対策をしたり、日焼け止めを塗るという人も、やはりビタミンDの体内での生成量は少なくなる。繰り返すが、屋外に出る機会が多いからビタミンD対策は十分だということではないのだ。
ビタミンDの摂取量
体内のビタミンDレベルを低下させないためには、サプリメントを利用するのも1つの手段だが、具体的にどれくらいの量のビタミンDが体内にあれば理想的なのだろうか。実はこれについてはさまざまな意見があり、1日13マイクログラムもあれば十分であるという意見もあれば、125マイクログラム以上を目標にするのがいいと主張する人もいる。一般的には体重1㎏あたり約2マイクログラムを毎日摂取することが推奨されるので目安にしよう。不足してしまうよりは過剰なほうがいいと思いがちだが、ビタミンDに関しては間違いだ。なぜなら、体内のビタミンDレベルが過剰になると、高カルシウム血症が引き起こされる危険性が高まるからだ。高カルシウム血症とは血中のカルシウム濃度が高くなる状態のことで、疲労感、脱力感、集中力の低下などの症状がもたらされる。
適量に摂取することを前提にビタミンDのサプリメントを利用するなら、選択すべきはビタミンD3であり、ビタミンD2には手を出さないようにしよう。D3は限りなく天然に近く、体内でつくり出されるビタミンDとほぼ同じ構造を持っている。また、ビタミンDのサプリメントを摂取するなら食事と一緒に摂るようにしよう。そうすることでビタミンDの体内吸収率は50%もアップすることが分かっている。体内のビタミンDを安定した状態で欠乏させないようにするには、日光浴を行うだけでなく、ビタミンDを多く含む食材を積極的に食べたり、サプリメントを利用してビタミンDを体内に取り込む必要がある。ビタミンDには健康を守るためのさまざまな要素があるだけでなく、減量を促すなどして体づくりにも大いに影響する栄養素であることを覚えておこう。
提供元・FITNESS LOVE
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