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ドリフト走行でスポーツカーをアピール
SNSでGR86のエンジンブローが報告される
「スポーツ走行時のSNSの投稿」を証拠に保証適用外

ドリフト走行でスポーツカーをアピール

トヨタ GR86は、2012年にデビューした先代86の後継としてデビューした2ドアクーペのスポーツカーで、環境性能や安全性能が叫ばれる現代にあってドリフトパフォーマンスや運転の楽しさといったスポーツカーの魅力を全面に押し出したプロモーションも行われています。

TOYOTA Gazoo RacingがYouTubeで公開したGR86のプロモーション映像『THE FR』は、GR86、初代86、そしてこの2台のルーツとなる『AE86』、スプリンタートレノによる3台のドリフト走行をドローンでダイナミックに撮影。「トヨタのスポーツカーにかける熱量が伝わってくる」と、ファンからの評価が高い映像となっていました。

このように、GR86はドライバーをサーキットへ誘うような、スポーツカーのお手本とも言える車として生まれているのですが、国内外のGR86ユーザーからは不満の声が挙がっています。

SNSでGR86のエンジンブローが報告される

えっ?GR86はそういう車では…ドリフトしたから補償しません!でも原因はアレじゃないの?
(画像=©artegorov3@gmail/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

2022年1月にGR86のオーナーとなった海外のGR86ユーザーが、自身のFacebookでGR86のエンジントラブルを報告しました。これによると、2022年7月10日にGR86のエンジンがオイル切れにより、シリンダーのロッドベアリングが破損を起こしたとのことです。

このユーザーはGR86を毎日運転しており、ときどきオートクロス(ジムカーナのような、1000mに満たない短距離のスポーツ走行)のイベントにも参加。走行距離は13,770マイル(約22,160キロ)だったとしています。エンジンを分解した結果、エンジンの気密性を保つために塗布されるシーラント材の一部が剥がれ、エンジンオイルをエンジン内部に循環させるための部品の配管内部に留まっていたようです。

同じような、シーラント材の剥がれを起因とするエンジンの不具合は日本でもSNSで報告されており、以前国内で報告された事例では、GR86のエンジンにおいてオイルパンのシールパッキンが剥がれ、エンジン内部のストレーナー(配管)に詰まるというものでした。

MOBYの取材から「エンジンの部品同士の隙間を埋めるために塗布される液体ガスケット(シール)が、何らかの原因で多く塗布され、エンジンの内側へはみ出たものがストレーナーやオイルポンプに詰まっているのではないか」という見解を示す声もあり、前述の海外のGR86ユーザーの報告との共通点を見出すことができます。

「スポーツ走行時のSNSの投稿」を証拠に保証適用外

えっ?GR86はそういう車では…ドリフトしたから補償しません!でも原因はアレじゃないの?
(画像=『MOBY』より引用)

海外のGR86ユーザーはさらに、このエンジントラブルに対するトヨタの対応についても報告しています。

その報告によると、このトラブルに対応したトヨタの技術者およびディーラーは、直接エンジンを調べることなく、このGR86ユーザーがSNSに投稿したスポーツ走行イベントの写真を提示。これを証拠に「スポーツ走行は保証対象外で、有償修理」と判断し、保証請求を拒否したといいます。見積もられた修理費用は、11,000ドル(約147万円)でした。

GR86ユーザーはトヨタ本社にも掛け合いますが、得られた回答は「ディーラーと技術者の判断を支持する」だったようです。結局、スバルの専門店に約7,000ドルで中古のエンジンへ乗せ換えを依頼しました。

この対応にGR86ユーザーは「GR86はサーキットでの走行テスト済みだとPRされているにも関わらず、オートクロスのような短距離のスポーツ走行で故障が発生してもトヨタは自己責任だと言う」と不満をあらわにしており、「GR86を街乗り以外の用途で使うときは、ナンバーを隠すか外し、SNSへの投稿は慎重にしたほうが良い」と付け加えています。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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