国土交通省が発表した21年度の航空輸送統計によると、国内線定期便の旅客数は前年度比47.2%増の4969万人、国際線の旅客数(日本企業による実績)は120.6%増の176万人となり、ともに3年ぶりに前年度を上回った。それでもコロナ禍の影響を受ける前の18年度に比べると、国内線は47.8%と約半数、国際線は7.5%と1割にも満たない水準にある。

国際線旅客、21年度倍増も低水準 航空輸送統計 国内線はコロナ前の半数
(画像=『トラベルジャーナル』より 引用)

 国内線のうち幹線は47.0%増の2206万人、ローカル線は47.3%増の2764万人と伸び率に大きな違いはなかった。路線別の旅客数上位はいずれも羽田と結ぶ路線で、1位は福岡線が51.1%増の453万9460人(座席利用率57.8%)。これに新千歳線の42.7%増・416万4242人(52.7%)、伊丹線の40.4%増・287万8732人(59.1%)、那覇線の25.7%増・283万4614人(50.8%)、鹿児島線の64.4%増・108万5523人(50.8%)と続いた。

 このうち羽田/那覇線が順位を3位から4位に1つ下げたほか、前年度に5位だった福岡/那覇線が28.0%増の94万1125人(49.0%)で7位にランクを下げた。沖縄がコロナ禍の影響を大きく受けたことに伴うものと推測される。

 国際線の方面別旅客数は、1位が中国・韓国を除いた東南アジアなど「その他アジア線」で102.8%増の71万6524人、次いで米大陸線が170.1%増の64万5238人、欧州線は88.1%増の17万1521人となった。4位は中国線だが、52.3%増の12万8370人と他の方面に比べると伸び率がとりわけ低い。感染を抑え込むゼロコロナ政策により、引き続き厳しい運航制限等が敷かれた影響によるものとみられる。

 一方、ハワイ等の太平洋線は徐々に運航が再開され、456.4%増の5万3218人と高い伸びを示した。

提供元・トラベルジャーナル

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