ポスコケミカルが国内工場新設を通じて、電気自動車(EV)バッテリー素材バリューチェーンの強化に乗り出している。韓国メディア「毎日日報」が報じた。(写真:ポスコケミカル浦項工場)

24日業界によると、ポスコケミカルは浦項(ポハン)、光陽(クァンヤン)、世宗(セジョン)などの国内に電気自動車バッテリー素材の生産ライン着工に乗り出している。

ポスコケミカルは浦項に次世代電気自動車バッテリーの核心素材であるハイニッケル正極材の生産ラインの建設に入った。正極材の浦項工場は約2900億ウォン(約301億円)を投資して年産3万トン規模で浦項市迎日(ヨンイル)湾の第4一般産業団地内の12万㎡面積に造成される。2024年の稼動を目標に、追加投資を通じて2025年には年6万トンまで生産能力を拡大する計画だ。正極材6万トンは高性能電気自動車60万台以上に使用できる量だ。現在の年間売上は2兆5000億ウォン(約2596億円)に当たる規模だ。

正極材の浦項工場では、次世代電気自動車で最も重要な走行距離を増やし、安定性も共に高められるハイニッケルNCMA単粒子正極材を本客的に生産する予定で、ポスコケミカルが今後、次世代素材技術リーダーシップを確保するのに核心的な役割を果たすものと期待される。

光陽には年産10万トンの前駆体工場新設投資に乗り出している。ポスコケミカルは今年から約6000億ウォン(約623億円)を投資し、光陽市世豊(せプン)産業団地20万㎡の敷地に年産10万トン規模の前駆体工場建設を段階的に推進することにした。前駆体10万トンは電気自動車バッテリー120万台余りに必要な正極材を作ることができる量だ。

前駆体はバッテリーの核心素材である正極材の中間原料だ。ニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム等の鉱物を加工して製造する。正極材の原価で60%以上の割合を占め、原料供給網の安定性が重要になり、国内生産の必要性も高まっている。ポスコケミカルは前駆体の生産能力を今年の1万5000トンから2025年は18万5000トンに拡大し、独自生産比率も33%から67%に高める計画だ。

また、ポスコケミカルは1054億ウォン(約109億円)を投資して世宗に建設中の天然黒鉛負極材生産工場を低膨張負極材専用生産ラインに変更する。低膨張負極材はポスコケミカルが独自の技術で開発した製品だ。電気自動車のバッテリーに必ず必要な安定性、寿命、充電速度などの性能を大幅に高めながら価格を下げることができる素材だ。天然黒鉛負極材に比べ膨張率は25%下げ、急速充電性能は15%向上させた。

ポスコケミカルは、このようなバッテリー素材の量産拡大と販売単価の上昇により、今年第2四半期は8四半期連続で過去最大の業績を更新した。

参考記事:ポスコホールディングス、アルゼンチンの塩湖リチウム商用化工場を着工
参考記事:ポスコケミカル、バッテリー素材の人材確保に総力
参考記事:ポスコケミカル、正極材は堅調も負極材が軟調で1Q営業利益は予想を下回る

提供元・コリア・エレクトロニクス

【関連記事】
韓国の双竜自動車が日本で販売?「ヒュンダイも撤退したのに…」 韓国紙が関心
韓国がパワー半導体のSiC素材検査技術を国産化…「日本の半分のコストで開発」
LGグループが日本法人社屋を約200億円で急遽売却へ
米特許登録数 IBM1位、サムスン2位、LG3位、4位キャノン
フォルクスワーゲンが韓国二社とのEV電池取引を打ち切りか…特許紛争に嫌気?