日本経済新聞とNTTタウンページの共同調査によれば、コロナ禍でタウンページに登録されている飲食店の数は約1割減ったそうです。

飲食業界はコロナ禍で衰退ではなく「新陳代謝」する理由
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

2020年1月末に全国で約45万8000店が登録されていたのに、今年の8月末には41万3000店と4万5000店減っています。

長年営業してきた老舗の飲食店の中にも閉店するところが相次ぎ、伝統の味を惜しむ声が出ていると言われます。

確かにコロナ禍で人出が少なくなり、会食などの予定を控える人が増えたことは飲食業界全体にとっては大きなマイナスです。

しかし、そのような環境下でも給付金などを活用しながら何とか生き残っている飲食店も多いのです。

私が経営するSHINOBY‘S BAR 銀座も今年に入ってから正常に営業できた日はほとんどありませんが、何とか生き残っています。先週からは、時間短縮で営業再開しました。

コロナウイルスが過ぎ去るのをただ待っているだけではなく、新しいメニュやサービスの提供など試行錯誤も行っています。

今週は今まで別々に出していたカレーとハンバーグを合わせてハンバーグカレーを試作してみました。要望があれば期間限定でメニュに追加して、好評であれば定番メニュにしようと考えています。

歴史ある老舗が閉店してしまうのは何とも残念なことです。しかし、繁華街の撤退した店舗には次々と内装業者の工事が入り、次の新しい店舗が開店準備を始めています。店舗が消えていくだけではなく、新しいお店が誕生し飲食店の新陳代謝が起こっているともいえるのです。

時代の変化に対応できないビジネスは飲食店に限らず、淘汰されていきます。

伝統にこだわるだけではなく、変化に柔軟に対応しなければ、お客様の支持を集めることはできず、老舗といえども生き残ることはできないのです。

コロナウイルスは、そのサバイバルのプロセスを平時よりも早送りで実現させたのだと理解しています。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年10月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

文・内藤 忍/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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