日本各地には大きなものから小さななものまで沢山の素敵な美術館があります。美術館はアートを鑑賞するところですが、建物や庭園などのセッティングも素晴らしいものが多く、1日掛けてゆったりとした時間を過ごすことのできる場所がたくさんあります。
今回は愛知県の個性的な美術館をご紹介します。愛知県に美術館があることはあまり知られていませんが、実はデザインが素敵な美術館、ゆっくりと過ごせる美術館、素晴らしいコレクションを所蔵している美術館、地元出身の画家の業績を讃えるために建てられた美術館など素敵な美術館がたくさんあります。
私が訪れた中でおすすめの6つの美術館をご紹介します。アートに触れて、寛いだ1日を過ごしてみてください。
1. 徳川美術館

名古屋といえば徳川美術館です。徳川美術館は、御三家筆頭の尾張徳川家に受け継がれてきた宝物の数々を所蔵している美術館です。19代当主徳川義親が大名文化を後世に伝えることを目的として、昭和10年(1935)に開館しました。所蔵品は大名家伝来家宝のコレクションとして日本最大の規模です。徳川美術館の所蔵品はその大多数が、尾張徳川家が名古屋城の中で家宝として大切に保存してきたものです。
国宝などの美術品を鑑賞した後は、四季移り行く美しい庭園の景色を楽しみながら美味しいフランス料理を味わえます。徳川の趣に浸る1日を過ごすことができる美術館です。
コレクション

徳川美術館には、徳川家康の刀剣・武具・茶道具・香道具など遺産、千利休・足利義満・織田信長・豊臣秀吉など歴史に名を残した人物の名品、これに尾張徳川家歴代当主や夫人たちの遺品が加わり、あわせて10000件あまりの貴重な大名道具・美術品のコレクションが所蔵されています。
その中には国宝9件・重要文化財59件・重要美術品46件が含まれます。なかでも、「源氏物語」を絵画化した作品として12世紀に描かれた現存最古の国宝「源氏物語絵巻」、また、3代将軍徳川家光の長女千代姫が尾張徳川家2代徳川光友に嫁いだ際の婚礼調度類である漆工品の最高峰、国宝「初音の調度」が知られています。
また、刀剣のコレクションは、短刀や長刀(なぎなた)を含めれば1,000振近く、日本で随一の質と量を誇っています。「後藤藤四郎」をはじめとする国宝8振・「物吉貞宗」はじめとする重要文化財10振を所蔵していて、最近の刀剣女子の中で人気の美術館となっています。
名品コレクション展示室では、年間に4回の大展示が行われ、ほぼ毎月、季節に合わせて展示替えされます。展示を鑑賞した後は、隣接する徳川園の季節の花々を楽しむことができることでも人気です。
徳川園

徳川美術館の魅力は、尾張徳川家の邸宅跡である徳川園に隣接して建てられていることです。徳川園(2.3ha・約7000坪)は、池泉回遊式の日本庭園で、清流が滝から渓谷を下り海に見立てた池「龍仙湖」へと流れる自然景観が象徴的に表現されています。春には桜、ボタン、夏には花菖蒲、秋には紅葉と四季の花々が楽しめます。
徳川園の入り口は、旧尾張徳川家大曽根邸の表門、通称「黒門」です。趣のある門をくぐると前方に見えてくるのが徳川美術館、そして右側に尾張徳川家旧蔵書を収蔵する「名古屋市蓬左文庫」があります。
「龍仙湖」と緑豊かな自然を臨みながらお食事できるように窓が大きくとられたガーデンレストラン徳川園で楽しむフランス料理は人気です。
【徳川美術館】
- 住所:愛知県名古屋市東区徳川町1017
- 電話:052-935-6262
- 開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
- 定休日:月曜日
2. メナード美術館

メナード美術館は、日本メナード化粧品株式会社の創業者、野々川大介・美寿子夫妻が中心となり収集した美術作品を展示するため、1987年10月、夫妻の出身地である愛知県小牧市に開館しました。小牧城から東に歩いて15分程度にあります。豊かな自然の中、落ち着いた雰囲気の美術館です。小さな美術館ですが所蔵品には多くの名品を誇っています。
コレクション

マネをはじめとする印象派以降のヨーロッパ絵画と、明治・大正・昭和から現代までの日本画・日本洋画を中心とした絵画、彫刻、工芸、古美術など1500余点を所蔵しています。
【メナード美術館】
- 住所:愛知県小牧市小牧五丁目250番地
- 電話:0568-75-5787
- 開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
- 定休日:月曜日