道の概要
日本最長の砂嘴(さし)地形の半島である野付半島は、ライダーの聖地の開陽台からほど近い標津の東から始まる。砂嘴は沿岸の流れによって運ばれた砂が長い年月の中で堆積してつくられたもの。道路の北にオホーツク海、南に野付湾が広がり、最も細い場所では数十メートルという幅になっている。なにか堤防の上を走っている感覚に陥りそうになる。
素晴らしい絶景が広がっているわけではないが、電信柱や民家も多く普通の田舎町の景色なのに、今にもなくなりそうな細長い半島がこの先どうなるのか、という期待感をもたせる。半島中央部には、トドマツやミズナラが立ち枯れた「トドワラ」「ナラワラ」が湿地帯に分布する。
トドワラ とは『トドマツの原っぱ』が語源。 ナラワラも同じ『ミズナラの原っぱ』が語源となる。
野付半島内には江戸時代の中頃まで、トドマツ、エゾマツ、ハンノキ、カシワなどの樹種から成る原生林があったが、半島周辺の地盤沈下により海水が浸入。それにより立ち枯れの森となり、現在の風景が出来上がった。
野付半島ネイチャーセンターのあるトドワラPAから先は一般車両通行禁止で、幻想的なトドワラの景色を見るには、1.5kmを歩くか、馬車(有料)でいくことになる。
海水の浸食によっていずれはなくなる運命にあるトドワラ。チャンスがあればぜひ一度は見ておきたい。
お薦めのシーズン
- 年間を通して四季それぞれに楽しめるが、緑輝く夏がお薦め。