魚も「血と旨味」は関連するのか

さて、我が国では魚も肉も、基本的に血抜きはしっかりと行います。しかし、肉食の歴史が長い西欧諸国では血もまた「肉の旨味」のひとつとして扱われ、血を抜いてしまうなんてもったいないと言われることもしばしばあります。

例えばフランスで鶏肉料理を食べると、血の鉄っぽい風味や、加熱された血液の独特な色合いを感じることが多いのですが、これは血を抜かず肉の中に溜めたまま熟成させることが多いためです。

一方、魚の血については、そのような扱いをされることはあまり多くはないようです。というのも、魚の血にはジメチルアミンという成分が多く含まれており、これが生臭み成分であるトリメチルアミンのもととなるため、敬遠されてしまうのです。

マゴチは血抜きしない方が旨い説 魚の血液は旨味か臭みか?
(画像=マゴチは血抜きしない方が旨い説 魚の血液は旨味か臭みか?血を多く含む部位はすぐに生臭くなる(提供:茸本朗)、『TSURINEWS』より 引用)

このことを踏まえても、個人的にはやはり魚の血は基本的に抜くべきものであると思うのですが、一方でカツオの血合いなどのように「血の多い部分ならではの旨味」を感じることもあるので断言することはできないとも感じます。

どこかの研究機関で、魚の血と旨味の関係についての科学的な分析が行われると良いなと思うのですが、研究者の皆様いかがでしょうか。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

提供元・TSURINEWS

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