東京商工会議所は7月14日、東京の観光復活に向けた産業・地域振興に関する重点要望をまとめ、東京に対して根強く残る“コロナマインド”を払拭することが必要とした。国内の訪都旅行者数は20年に3億3705万人とコロナ禍前の19年に比べ38%減少し、旅行消費額は約4.7兆円から約2.7兆円に減少している。感染の中心地としてのイメージが強く、観光の復活には状況を変えることが必要と判断。要望書は8月初旬をめどに都に手渡す。

東京の観光復活へイメージ払拭を 東商が提言 「感染の中心地」根強く
(画像=『トラベルジャーナル』より 引用)

重点要望は、①東京と地方との連携による交流創造、②ツーリズム産業の自律的かつ持続的発展、③ウィズコロナにおける東京の観光需要喚起の3本柱。東商はこれまでも観光復活に向けて要望を行ってきたが、イメージ払拭を求める声は事業者などから切実な声として多く寄せられており、新たな項目として盛り込んだ。全国に向けて安心・安全に関する丁寧かつ強力なメッセージの発信を提案している。

このほか、東京を核とした都市型観光の促進に向けた連携を求めた。世界的な潮流として、都市に長期滞在して文化体験などを楽しみながら各地を周遊するスタイルが定着している。各自治体と都市型観光の意義や目標を共有し、協力して国内外に発信することが重要とした。コロナ収束後に再び特定地域に観光客が集中する可能性を視野に入れ、需要分散化の狙いもある。

訪都旅行の拡大に向け、人材確保支援や国が推進する需要喚起策への参画も盛り込んだ。なかでも人手不足は深刻で、需要回復が急速に進んだ場合、需要を取り逃す懸念がある。訪日外国人にも対応できる人材の確保を支援するとともに、求職者の能力開発から就職までワンストップで支援する体制の早急な整備を求めた。

提供元・トラベルジャーナル

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