北見市は北海道の中でも内陸部に位置し、道内に数ある厳寒地の一つとして知られています。冬期間はマイナス10℃を下回ることも稀ではありません。そんな震えあがってしまうような北見の夜に、野外で焼肉を大勢で食べるというお祭りがあることをご存じでしょうか?寒さに慣れている道産子にとっては驚きを隠せないイベントなのですが、実は大人気で北見市内外から毎年2000人近くが参加し、信じられないほど盛り上がっているのです。

焼肉って寒さを忘れるほどあったまるの?冷たいビールはおいしく飲めるの?いやいやビールって凍っちゃうの?など、あれこれと疑問がわいてくるのは置いておいて、このお祭りについてさっそくご紹介しましょう。

目次
北見は北海道なのに、なぜお肉?
厳寒の焼肉まつりはこうしてはじまった!

北見は北海道なのに、なぜお肉?

北海道の食といえば、最初に思い浮かべるのは「カニ」や「ウニ」といった海の幸ですが、北見市イチオシの食材はお肉なんです。その昔、北見市内に屠畜場があって新鮮なお肉が手に入りやすかったことが、焼肉文化が根付くきっかけになったといわれています。

特に昔はあまり好んで食べられなかった牛の「サガリ」や豚の「ホルモン」といった内臓肉を、主に焼いて食べたのが北見式焼肉の始まりのようです。こうして1950年代に根付き始めた焼肉は、その後も北見市民の胃袋を満たし続け、今では人口12万人に対して約60軒の焼肉店が存在していて、焼肉店の対人口比率日本一を誇るまでになりました。

厳寒の焼肉まつりはこうしてはじまった!

トリッキーとしか言いようのない厳寒の焼肉まつりは2000年に始まりましたが、地元の人が発案したものではありません。発案したのは北見市に転勤で来ていた企業人が集まる「でさき会」という組織でした。「でさき会」は企業の支店や出張所の所属長が集まって親睦を図るための会です。この会が、北見市を全国にPRできるネタはないか?寒いことを逆にウリにできないか?といった発想から生まれたのが厳寒の焼肉まつりだったのです。

北見イチオシの焼肉を厳寒の野外でやってしまおうという奇想天外なイベントが北見青年会議所や観光協会の協力を得て実施される運びとなりました。以来毎年2月上旬に1夜限りで行われ、2020年には約2,100人の参加者で賑わいました。
(2021年と2022年はコロナ禍のため中止)