今月14日午後、釜山江西区(プサン・カンソグ)ノクサン産業団地にあるサムスン電機の釜山事業場。4500人が勤務する26万3233㎡(約8万坪)工場の入口では工事が真っ最中だった。サムスン電機関係者は「工程が最も複雑で難しい高性能サーバ用半導体パッケージ基板量産のためにライン増設中」と話した。韓国メディア「朝鮮日報」が報じた。(写真:サムスン電機釜山事業場=サムスン電子)
原文記事:https://www.chosun.com/economy/tech_it/2022/07/18/D5DIS6F7TVAVVEU3DUPS5Z5MZM/
サムスン電機は半導体パッケージ基板(FCBGA)を次世代収益源に選定し、最近、大規模な投資に踏み切った。昨年末、ベトナムに1兆ウォンを投資したのに続き、先月には釜山事業場に3000億ウォン(約314億円)を追加投入することにしたのだ。半導体パッケージ基板はチップとメイン基板間の電気信号を伝達し、チップを外部衝撃から保護する製品だ。チップが脳なら、パッケージ基板は骨組みであり神経と血管の役割をする。パッケージ基板は数年前からAI(人工知能)演算、データセンターサーバ用など高性能半導体需要が増え注目され始めた。特にグーグルなどのビッグテック企業が自主的にチップを設計して作り、需要が爆発した。現在113億ドル(約15兆ウォン、約1兆5614億円)規模のパッケージ基板市場は、2026年は170億ドル(約22兆5000億ウォン、約2兆3486億円)規模に成長する見通しだ。
サムスン電機釜山事業場は、スマートフォンAP(頭脳の役割をするチップ)、車両用電装、パソコン用CPU(中央処理装置)チップなど、さまざまな半導体パッケージ基板を量産している。会社関係者は「昨年に生産した基板面積を合わせればサッカー場100個(70万3000㎡)の大きさに達する」とし「基板がなくて半導体を作れないため、企業が価格を上げてでも物量確保に血眼」と話した。
この日、サムスン電機が公開した釜山事業場内部ではスマートフォン用、パソコン用半導体パッケージ基板製作が真っ最中だった。半導体工程と同様に、電気が流れるように基板に髪の毛10分の1の大きさ(1000分の1㎜)で回路を描く。メッキラインではロボットアームが基板を銅溶液にゆっくりと入れていた。このように一枚をメッキするのにかかる時間だけで1時間余りだ。現場の関係者は「回路を刻んだ基板を積む過程(積層)を何度も経るほど高性能基板が出てくる」とし「スマートフォンAPを載せる基板は4~6階で良いが、サーバ用基板は20階以上積む」と話した。チップが多くかかり、高性能であるほど基板工程も複雑になるのだ。
サムスン電機は今年下半期まで、現在飽和状態の釜山事業所内のパッケージ基板ラインの増設を完了し、高性能サーバ用製品を本格的に量産する計画だ。今後、釜山事業場をサムスン電機の主要収益源である高仕様パッケージ基板中心に再編するということだ。サムスン電機の関係者は「高性能サーバ用基板生産ラインを国内で初めて追加し、パッケージ基盤分野で既存強者である日本と台湾企業と肩を並べる」と述べた。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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