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スポーツ用品メーカー大手の米ナイキは7月15日、直営店の最新フォーマット「ナイキスタイル(Nike Style)」を韓国のソウル市内にオープンした。今秋には中国・上海市に2号店を出店する予定で、将来的には他国にも出店を広げる。
ナイキスタイルは主力商品のスニーカーに加え、フリース、トップス、アクセサリーなどアパレル商品をジェンダーフリー(性別に関係なく)で売場展開するのが特徴。また、地域特性に合わせたローカル商品の品揃えも強化する。
ナイキスタイルの1号店が出店したのは、ライブハウスやクラブ、飲食店などが集まり、若者文化の発信地となっているソウルの弘大(ホンデ)地区。ナイキの他の直営店フォーマットと同様、デジタル技術の活用にも力を入れている。
店内の至るところにあるQRコードをスマートフォンで読み込むと、製品開発の革新性や店舗周辺のアート作品展示に関するAR(拡張現実)体験ができる。また、背景をカスタマイズできる撮影スタジオが併設され、クリエーターや買物客らがSNS用の画像や動画を作成できる。
店内にはイベントスペースもあり、スニーカー文化に関するイベントや、買物客がナイキ製品を自分の好みに合わせてカスタマイズできる「ナイキ・バイ・ユー(Nike by You)ワークショップ」などが開催される予定。
ナイキは卸や小売業を通さず、自社のEコマースサイトや直営店で商品を販売するD2C(消費者直販)戦略を推進している。2017年当時、同社は世界で約3万社の小売業と取引があったが、22年3月時点では取引先の数をほぼ半減させた。
一方、新たな直営店フォーマットの開発を積極的に進めており、自社アプリとの連携を強化した「ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション(Nike House of Innovation)」、地域コミュニティとのつながりを重視し、品揃えを2週間単位で変更する「ナイキライブ(Nike Live)」、デジタルツールを積極活用する「ナイキライズ(Nike Rise)」などを出店している。
提供元・DCSオンライン
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