7月12日に、パルグループホールディングス(東証プライム上場)の第1四半期(3月1日〜5月31日)決算が発表になった。主な項目は以下の通りだ。なおこの第1四半期から「収益認識に関する会計基準」を採用しているために、売上高に関しては対前年比較はできないので前年数字を記す。

・売上高:391億8300万円(前年312億1000万円)
・営業利益:44億2300万円(前年比+146.6%)
・経常利益:45億6100万円(同+159.5%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:30億6900万円(+198.0%)

 好調の波に乗っており、第2四半期業績、通期業績については、前期末決算発表時の予想を上方修正している。以下は売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益の順に修正数字を記す。

・第2四半期業績修正
700億円→760億円/32億円→65億円/30億円→66億円/16億円→41億円
・通期業績修正
1500億円→1540億円/87億円→108億円/83億円→110億円/46億円→66億円
業績好調の原因は「スリーコインズ」などの雑貨事業の絶好調だ。ただし第1四半期においては、雑貨事業の伸びを衣料事業が上回っており、雑貨事業の好調が衣料事業の活性化に結びついている。
・衣料事業:199億6100万円→252億2800万円(+26.3%)
・雑貨事業:112億2400万円→139億2500万円(+24.0%)
さらにEC事業も本格化しており、利益率の向上に寄与している。

 この第1四半期の発表があった7月12日の同社株の終値は1752円だったが、7月13日は取引開始から一気に2000円台に乗って、7月15日には2200円台まで上昇した。その原因は前述したように「スリコ」こと「スリーコインズ(3 COINS)」によるところが大きいが、ネーミングの巧さなどいかにも大阪企業らしい感覚がウケたのではないか。実際には最近の大ヒットのクルーネックバンド(税込1100円)やスリコ版スマートウォッチ(同2200円)など「高額品」もかなりある。

 このパルグループHDでもうひとつ注目したいのは、ファッション専門学校の学生に抜群の人気がある点だ。繊維・アパレル・ファッション業界紙の繊研新聞が全国のファッション専門学校生約1400人を対象に今年実施した「就職意識調査」では、以下のような結果になっている。

「注目している企業ベスト5」
1位 ファーストリテイリング
2位 アダストリア
3位 パルグループ
4位 コムデギャルソン
5位 ビームス

「就職したい企業ベスト5」
1位 パルグループ
2位 コムデギャルソン
3位 マークスタイラー
4位 ストライプインターナショナル
5位 TSIグループ

 「注目している企業」でパルグループは、前年の6位から3位に躍進し、一方「就職したい企業」では前年の5位からなんと1位にランクアップ。この調査で初の第1位に輝いた。ファッション専門学校生がパルグループの業績の急激な良化やそれに付随する株価上昇を知っているとは思えない。先輩などの口コミによるものが大きいだろうから、こうした好印象を持たれているというメリットはきわめて大きい。いずれにしても、業績、株価、専門学校生人気と各部門で高水準のパフォーマンスを見せているパルグループには注目がさらに集まりそうだ。

文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO

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