海外旅行の帰国時に現地で隔離を余儀なくされた場合に生じる宿泊費等の負担軽減を支援する措置が相次いでいる。東京海上日動火災保険は治療・救援費用担保特約で対応し、AIG損害保険は7月1日から日本語による日本人医師のリモート診療紹介を開始した。

 帰国前検査で新型コロナウイルスのみなし陽性と判定された場合、現地当局から隔離を指示されるも医師の診断を受ける指示がなかったり、外来を拒まれ診断を受けられないケースがある。医師の診断は海外旅行保険の補償要件のため、旅行者が宿泊費などを負担することとなり、海外旅行復活期の懸念材料として旅行業界が保険会社に対応の検討を求めていた。

 東京海上日動は、医療機関でなくとも公的または信頼性に足ると同社が判断し得る検査機関による陽性結果を提出すれば、症状の有無を問わず検査日から180日以内の費用を補償することとした。治療費やPCR検査費、ホテル療養費、帰国に必要な交通費が含まれる。約款の解釈を広げて対応する格好。ただ最終的な補償可否は保険金請求時の個別判断とした。

 AIG損害保険は、これまで各国の病院の協力を得て、通院が困難な場合に主に英語でリモート診療を提案してきたが、オンライン医療相談のメディフェローとの契約により日本語でのリモート診療を可能にした。同社アシスタンスセンターに連絡し、リモート診療が適切と判断される場合に提案する。

提供元・トラベルジャーナル

【関連記事】
旅行代金は高くなる? 変化予測と対応のアイデア
人はなぜ旅をするのか 変わる世界と変わらぬ本質
6000万人目標を目指すのか アフターコロナの観光立国論
コロナ禍後のニューノーマル 変わる価値観と旅の提案
旅行業参入、それぞれの理由 水族館からMICE施設まで