通常、骨折が完治するには10週間~12週間ほどの期間を要します。
骨折の治癒を早める方法はいくつか存在しますが、どれも簡単には行えません。
しかし最近、アメリカ・ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)材料工学科に所属するシュウドン・ワン氏ら研究チームは、簡単に利用できる骨折治癒促進パッチを開発しました。
この電気刺激を与えるパッチは効果を発揮したあと、自然と体内に吸収されるというのです。
研究の詳細は6月1日、科学誌『Proceedings of the National Academy of Sciences』に承認されました。
電気刺激で骨折の治癒を早める
骨折の治癒を促進させる方法の1つに、「電気刺激」があります。
これまでの研究により、骨を電気刺激すると、その成長や治癒が促進されると分かっているのです。
しかしこの方法は現在、あまり一般的ではありません。
なぜなら、骨折部位に対して効果的に電気刺激を与えるには、手術によって体内に電極を埋め込む必要があるからです。
また骨折が治ったあとは、再度手術して電極を取り出さなければいけません。
もっと簡単に電気刺激を与える方法はないのでしょうか?
そこでワン氏ら研究チームは、電気刺激を与えたあと、体内に吸収されるパッチの開発に取り組みました。