ボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手がダンベルトレーニングを解説。ダンベルを用いたトレーニングのメリットは、「自由に動かせる」というところ。しかし、その分、動作が難しいので、よくあるNG動作になっていないかチェックしてみよう。
取材・文:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩
三角筋(肩)
ダンベルショルダープレス(主に三角筋前部)
◆ポイント:下ろす位置と重心
ベンチなどに座って行う方法もあるが、立って行うことで体幹の力も養える。足の幅は肩幅から腰幅程度。ダンベルを真上に差し上げ、肘をしっかりと伸ばして肩を安定させる。ダンベルを下ろす位置は耳の高さまで。下げすぎると肩の安定が損なわれる。
重心は足裏全体か、もしくは母指球(親指の下の膨らんだ部分)。身体をまっすぐに立てて安定させる。重心がかかとに寄りがちになるので注意したい。
◆NG動作
かかとに重心が寄って身体が反った状態になると腰を痛める危険性が増す。また、真上に押し切ることもできないので、三角筋の収縮が弱くなる。
ダンベルサイドレイズ(主に三角筋側部)
◆ポイント:体操選手の吊り輪の十字懸垂のようなイメージで
足裏全体に重心がくるようにする。かかとに重心がいかないように骨盤は頭方向にしっかりと立て、肩関節を安定させる(「気をつけ」の姿勢)。ここで骨盤を立てて肩を安定させないと、三角筋に効かせることができない。ダンベルは手のひらの中央で全体的に握り、手首は真っすぐに。その状態で、上腕が斜め前30度の角度になるようにダンベルを横に挙げていく。
「肩甲骨を動かさない」意識で行うと肩を痛めやすくするので、「腕を斜め前に挙げる」というイメージで。
◆NG動作
足で踏ん張りすぎると腹圧が入りづらく、僧帽筋を使いがちになって三角筋への刺激は弱くなる。膝の反動を使うとこうなりがち。
ダンベルを振り上げようとすると重心がかかとにいき、三角筋から負荷が抜ける。