最近、サムスン電子が有機発光ダイオード(OLED)パネルを搭載した量子ドット(QD)ディスプレイテレビを発売した後、市場範囲を北米・欧州からアジア・オセアニアに拡大している。同じ時期にLG電子OLEDテレビが日本市場でシェア10%を突破し好調を見せ始め、今後サムスン電子の日本家電市場参入の可能性にも関心が集まる。韓国メディア「dailian」が報じた。(写真:サムスンQD-OLED TV=サムスン電子)
原文記事:https://www.dailian.co.kr/news/view/1130380/

9日、業界によると、サムスン電子は今月17日までシンガポールやオーストラリア、ニュージーランドでQDディスプレイテレビの事前予約を受け付ける。これに先立ち、3月中旬に北米および欧州の一部の国で事前販売を受け、4月から順次発売してから約3ヵ月ぶりだ。このようにサムスンがアジア・オセアニア地域に製品を拡大発売したのはOLEDパネル需給状況が改善されたためだ。

これに対し、サムスンのテレビ家電の日本進出可能性に青信号がさらに灯った雰囲気だ。最近、現代(ヒュンダイ)自動車のアイオニック5とLG電子のOLEDテレビの日本進出で、市場の雰囲気がある程度形成されたという観測が大きくなったからだ。現代自動車は2009年以降、12年ぶりに日本の乗用車市場に再進出した。

日本の家電市場と乗用車市場は共通の特徴がある。まさに消費者の自国産忠誠度が高いところだという点だ。一言で言えば、外国産の韓国産より自国産の日本産の性能と品質に対する信頼がすごい。それにもかかわらず、現代自動車とLG電子が日本に参入した理由は「産業パラダイムの転換」にある。

これまで車市場を支配してきた内燃機関車から電気自動車(EV)に変わりつつあり、テレビ家電もこれまで液晶表示装置(LCD)パネル中心から有機発光ダイオード(OLED)パネルに転換されているという点からだ。勝負をかけることができる適切なタイミングだという業界の声が出ている理由だ。

サムスン電子はOLEDテレビ市場では比較的最近製品を発売した後発走者だ。1980年に日本法人を設立したことがあるが、日本家電市場の「外山の墓」の壁を破ることができず、2009年にはすべての生活家電事業から撤退した。しかし、最近LG電子のOLEDテレビが東芝を抜いて第1四半期の市場シェア12.6%を記録したという点を勘案すれば、十分勝算があるという見通しが出ている。

特に、日本のOLEDテレビの割合に注目する必要がある。日本全体のテレビ市場で今年にOLEDテレビが占める割合は約31%と知られた。グローバルテレビ市場でOLEDテレビが占める割合が約13%という点を勘案すれば、事実上すでにOLEDは日本で主力製品として位置づけられているわけだ。

合わせてユン・ソクヨル政府スタート以後、日韓両国が財界を中心に関係復元に乗り出した中で、最近サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が見せる「民間外交官」役割の歩みもこのような可能性に重きを置くことができると分析される。

業界のある関係者は「サムスン電子は現在、日本の日立に半導体を納品しており、最近日本経済団体連合会役員らと会って半導体協力方案を議論したと理解している」としながらも「しかし今後民間次元の新しい日韓企業協力関係が構築されればサムスンが日本家電市場に進出することが実現可能性のない話ではないのではないか」と反問した。

続いて「すでに半導体と携帯電話などを日本に輸出しているサムスンがその他の家電業界までその範囲を拡大して輸出品目を増やすならば、企業と国内経済には最高」とし「LG電子が家電で好業績をおさめ、米国の業績を踏み台に日本に進出した現代自動車を見れば、サムスンの場合もできないことはないと思う」と見通した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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