KB(ケトルベル)ベーシック・エクササイズ・シリーズ。今回は、下半身に焦点を絞ったエクササイズを紹介します。

文・写真:Nazo

ケトルベル・ベーシック・エクササイズ・バリエーション

下半身のKBエクササイズは、インナーマッスルの大腰筋、大殿筋、大腿四頭筋など、上半身のエクササイズと比べ体の中でも最も大きく強い筋群を鍛えることができます。KBリフティングで最も酷使するのは前回の肩周りとともに下半身です。また下半身のパワーと安定感がなければ、高重量のベルを長い時間または何回も上げ続けることができません。

KBリフティングで必要な爆発的パワーは下半身から発揮されます。今回のエクササイズではベーシックなバリエーションで効果的に下半身を強化できる種目を3点紹介します。またどのエクササイズもバランスをとることが重要です。写真のインストラクターは前回に引き続き、ニューヨークで映画スターや元米国大統領家族なども通うフィットネスクラブでマネジャーをしているJT Netterville(ロングサイクル種目、MS = マスター・オブ・スポーツ)です。

1 ナロースタンス・ゴブレット・スクワット

ナローとは幅の狭いという意味でスタンスは足の位置のこと。KBではメジャーなエクササイズの一つ、ゴブレット・スクワットのバリエーションですが、両足をピタリと合わせた状態で行うことで通常のスクワットより安定感が損なわれるためその分キツさが増します。

①ボトムアップの状態でベルのボディー(球体)が胸の中央にくるように持つ。
②腹筋や殿筋を引き締めながら上半身を落としていく(スクワット)膝がぐらつかないように集中する。
③フルスクワットができない人は上半身を落とせるところまで落とす。②から③にかけて、膝がつま先より前方に飛び出てしまわないように注意。
④体を下へ落とせるところまで落としたら、そこから再び腹筋を引き締めながら上昇。
⑤①の状態へ戻る。はじめは12㎏か16㎏のベルで5レップス×5セット程度行う。一般的には他のエクササイズと組み合わせて数セット行う。

元米国大統領家族が通うジムマネジャー直伝!ケトルベル下半身エクササイズ
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

2 スライド・ランジ

サイド・ランジのバリエーションで、これは足をサイドに“スライド”させます。スライドさせることでヒップの可動性と柔軟性を高めます。また全体の動きを通して体幹のスタビリティー(安定性)の向上が望めます。

①クリーンしたシングルベルを肩の辺りでホールド。
②ベルを持っていない方の足をサイドにスライドさせる。なるべく足を横に滑らせやすい靴または床を選ぶこと。
③ベルを持った方の膝をしっかり曲げ一方の足は真っすぐサイドに流れる。上半身は前後にも左右にも傾かず真っすぐになっていること。
④ベルの負荷を体幹で支えながら直立状態へ戻る。
⑤フィニッシュ・ポジション

元米国大統領家族が通うジムマネジャー直伝!ケトルベル下半身エクササイズ
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

3 KBピストル (シングルレッグ・スクワット)

体のバランス感覚を養うピストルのエクササイズは、同時に体の左右それぞれのストレングスを強化できます。左右のバランスを取ることが難しい種目ですが、実はウエイトを一方に持つことで、かえって全体の動きのバランスを取りやすくできます。またピストルの一連のムーブメントは、普通のスクワットを行うための下半身のストレングスづくり( 補助種目)としても効果があります。

①ベルをクリーンした後、体の重心をベルを持った方に移動させる。
②体幹をグッと引き締めベルを持った方の足をしっかりと固定させ(足の裏全体を床に押し付ける感じ)片足でスクワットする。
③スクワットしている方の足を②の状態から思い切り踏ん張って立ち上がる。浮いている方の足が床についてしまわないように注意。
④いったん直立状態に戻ったら、体の重心を反対側に移動させ左右を交代してピストルを行う。

元米国大統領家族が通うジムマネジャー直伝!ケトルベル下半身エクササイズ
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

Nazo
ケトルベル(KB)・インストラクターおよびコーチ。OKCJ代表・ヘッドコーチ。元OKCインターナショナル・ディレクターおよびヘッドコーチ。国際ケトルベル連合の元日本代表。2015年のIUKL世界大会には日本から初めてナショナルチームを引率しアイルランドのダブリンへ行く。日本で初めてKBスポーツ競技会の開催を始めたKBスポーツにおける日本の開拓者(フロンティア)でもある。訪日イベントでは、資格コースの指導者であるとともに通訳、マニュアル本の制作と翻訳も行う。また、米国フィットネス雑誌アイアンマンの日本版、アイアンマンジャパンではケトルベル記事を執筆。現在はジム勤務や競技生活の現役をリタイアし、主に個人指導、トレーニングのプログラミングおよびオンラインなどでKBやフィットネスの執筆活動などを行なっている。

提供元・FITNESS LOVE

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