「無印良品」を展開する良品計画が発表した2022年9月〜22年5月期の連結業績は、売上高に当たる営業収益は前年同期比7.5%増の3707億円、営業利益は29.4%減の248億円、純利益は31.3%減の199億円と増収減益だった。
出店拡大による店舗数の増加で増収となったものの、国内と中国で既存店売上高が苦戦した。販売苦戦に伴って衣服・雑貨の値下げ処分が増えたほか、急激な円安と輸送費の上昇により営業総利益率が低下、減益につながった。
営業総利益率は47.2%で2.2ポイント低下、一方、販売管理費率は40.5%で1.3ポイント上昇した。
セグメント別では、国内事業の営業収益は4.6%増の2370億円、営業利益は45.5%減の129億円だった。既存店売上高(Eコマースを含む)は衣服・雑貨を中心に伸び悩み、2.6%減となった。
中国を含む東アジア事業は、営業収益が4.0%増の993億円、営業利益は15.3%減の150億円だった。中国では、新型コロナの感染拡大を受けた行動制限により、第3四半期(22年3〜5月)以降、最大で約100店舗が休業または営業時間の短縮を余儀なくされた。この結果、既存店売上高は15.1%減と大きく落ち込んだ。
店舗については、国内では食品スーパー隣接店を中心に39店舗を出店し、第3四半期末の店舗数は490店に、海外は中国を中心に29店舗を出店し、565店となった。この結果、総店舗数は53店純増の1055店となった。
良品計画は6月30日、今期2度目の業績予想の引き下げを行っている。22年8月期通期の営業収益は前期比3.6%増の4700億円、営業利益は38.7%減の260億円、純利益は41.0%減の200億円となる見通しだ。
提供元・DCSオンライン
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