レーザー式速度取締装置は、従来のレーダー探知機では事前検知が不可能です。

これがパトカーに搭載されると、発見しづらいうえにスピード違反車両を捉えては猛追する恐怖のレーザーパトカーに変わります。

全国で配備が進められているレーザーパトカーとは一体どのような取り締まりを行うのでしょうか。


レーザーパトカーの恐るべき仕組み

近年、速度取締りで猛威を振るう可搬式オービスは、レーザーによる速度計測を用いることで持ち運び可能なサイズにまで小型化されたオービスです。

レーザーパトカーとは、いわば小型レーザー式オービスを搭載したパトカーであり、「レーパト」「レーザーパト」「レザパト」の略称で呼ばれる場合もあります。

レーザーパトカーはルーフ上の赤色灯中央部、白い箱型のレーザー速度計測装置が備わっています。外観がよく似た仕様のレーダーパトカーもありますが、大きな違いは装置に設けられた開口部から覗くカメラとレーザースキャンセンサーです。

レーダーパトカーには前方計測型と後方計測型の2種類が存在し、開口部が前側に備わるものが前方計測型、後方に備わるものが後方計測型です。そのためパトカーとは対向車線を走っていたとしても油断はできません。

レーザースキャン方式の速度計測機は、可搬式オービスと同じように従来のレーダー探知機には反応せず、レーザー探知機能が備わる製品でなければ取り締まりを事前に知ることは不可能です。

さらに、探知機が検知したとしてもレーザーが照射されるのは速度計測の直前であるため、反応したときにはすでに計測完了後である場合があります。取り締まり実施を警告する看板もないため、どこに潜んでいるかわからないのがレーザーパトカーの恐ろしい点です。

怖すぎ……レーパトはこのようにして取り締まる!

幸いなのは、レーザーパトカーによる取り締まりは追尾しての即時検挙のみであることです。一般的なオービスのように後日検挙ではないため、やりすごしてしまえば後から届く出頭命令に怯える心配はありません。

レーザーパトカーは、物陰に隠れて走行中の車の速度を計測し、速度超過が確認されればすぐさま違反車両を追走します。もちろん通常走行中でも、前後に速度超過車両が確認されれば加速体勢に移ります。こういった取り締まり時の振る舞いは従来のレーダーパトカーと同じです。

ただし、取り扱いに資格が必要なレーダーとは異なり、レーザー式速度取締装置は免許が不要であるため配備数を容易に増やすことが可能です。そのため今後この悪夢のようなレーザーパトカーが全国で次々に導入される可能性もあります。

現在は、速度超過の摘発件数全国1位の北海道をはじめ、岩手・静岡・熊本・沖縄などにレーダーパトカーが配備中とのことです。

北海道では冬に屋外でネズミ捕りをするのが困難であるため、相当数のレーザーパトカーが配備されています。さらに道警には全国初配備となる3.0L V6ツインターボエンジンを搭載した日産 V37型スカイラインのレーザーパトカーも存在するため、逃げようなどとは思わないほうがよいでしょう。