富岡製糸場の3大みどころ
富岡製糸場は、日本の近代化のために設立された工場です。外国と対等に戦う資金作りのために「絹=生糸(かいこのマユから取った糸)」の輸出拡大を狙った明治政府が、フランスから技術者を招いて生糸の品質改善、生産向上、技術指導者育成を目指して作られました。
明治政府が力を注いで建設した富岡製糸場は、世界の注目を集め、世界の絹産業を発展させる施設として活躍しました。現在の富岡製糸場では、当時の姿がそのまま残された建物を見学することができます。
とくに見ておきたい3つの建物を紹介します。
1. 繰糸所

一番の見どころは国宝の「繰糸所」です。ここでマユから糸を取る作業が行われていました。長さ約140mの巨大な工場で、創設時にフランスから導入した金属製の繰糸器が設置された世界最大規模の器械製糸工場でした。小屋組みにトラス構造を用いることで建物の中央に柱のない大空間を作り出しています。 トラス構造とは鉄橋のように、三角形を使って強度を保つ構造です。
2. 東繭館

つづいて国宝の「東繭館」。入場するとすぐに見える建物です。こちらが主にマユを貯蔵していた建物で、長さ約104mにもおよぶ巨大な繭倉庫です。「木骨煉瓦造(もっこつれんがぞう)」という木で枠組みを作り、間に煉瓦を積む建築方法や、「明治五年」と建設された年号が刻まれている入口のキーストーンが見ものです。
3. 首長館

「首長館」は、指導者として雇われたフランス人ポール・ブリュナが家族と暮らしていた住居です。床が高く、建物の四方にベランダがあり、窓にはよろい戸を付けた風通しの良い作りとなっています。ブリュナが去った後は工女の寄宿舎や教育・娯楽の場として利用されました。
ツアーガイドでは、このほかにも趣のある建物を回りながら、工場の仕組みや、当時の女工さんたちの生活の様子を知ることができます。
富岡製糸場が世界遺産に選ばれた理由は、「世界の絹産業発展に貢献したこと」「創業当時の建物がそのまま残っていること」です。ぜひこちらを念頭に置きながら、ゆっくり見学を楽しんでください。
富岡製糸場周辺スポット伊香保温泉&榛名湖
富岡製糸場は群馬県・富岡市にあります。群馬には草津温泉、四万温泉、水上温泉など有名な温泉がいくつもありますので、せっかく富岡製糸場へ行くならば、群馬の名湯も一緒に訪れる旅がおすすめです。

富岡製糸場から一番近い有名温泉地は伊香保温泉です。
石段街が有名な伊香保温泉では、「黄金(こがね)の湯」と「白銀(しろがね)の湯」の二種類の湯が楽しめます。
伊香保温泉おすすめの宿は「福一」です。歴史のある宿で料理・温泉ともに質が良く、ホテルから直接石段街に出られるので、観光に便利です。

伊香保温泉の紅葉・桜の名所「河鹿橋(かじかばし)」もぜひ見学してください。

また、伊香保温泉から車で10分ほどの場所には榛名湖(はるなこ)があるので、訪れてください。日の出の時間にはたくさんのボートが湖に浮かびます。

美しい景観と自然を満喫でき、SNS映えする撮影スポットとしても人気です。
今回は世界遺産・富岡製糸場と周辺の旅情報を紹介しました。旅の参考になれば幸いです。
「富岡製糸場」世界文化遺産
2014年に世界文化遺産に登録
- 入場料:大人1,000円
- 営業時間:9:00~17:00(最終入場16:30)12/29~31は休業
- HP:富岡製糸場

文・写真・将虎/提供元・たびこふれ
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