水面に向かって物体を投げ、飛び跳ねさせる「水切り」は人類が古くから行っていた遊びですが、いったいどんな力が水切りを成功させる決定要因になるかは、詳しくわかっていませんでした。

しかし4月20日に『Physics of Fluids』に掲載された論文では詳しい分析が行われ、飛び跳ねる「スキップ」の継続に必要不可欠な条件が算出されました。

水切りは、いったいどんな仕組みにより発生していたのでしょうか?

水面で石をスキップさせるには「3.8G」の反発力が必要だと判明!

石の「水切り」を成功させる物理的な条件が明らかに
円盤の動きを詳細に分析するために組まれた装置 / Credit:Physics of Fluids(画像=『ナゾロジー』より 引用)

水切りは、必要とする材料の少なさから、有史以前から存在する人類最古の遊びの1つだと考えられています。

ですが水切りを成功させるコツは昔も今も変わりません。

可能な限り平たく丸い石を選び、水面に平行に向けて浅い角度で、回転させながら勢いよく投げることです。

しかしこれらの要素は経験的に重要だとわかっていても、物理学的に解明することは非常に困難でした。

そこで今回、研究者たちはセンサーを搭載したアルミ製の円盤を機械を使って射出し、その様子を高速度カメラで撮影することにしました。

搭載されたセンサーで飛翔中の円盤の動きをリアルタイムで計測するとともに、カメラを使って実際の動きと照合を行い、スキップにおいて最重要となる要素を探し出すのです。

実験を行った結果、研究者たちは「3.8G」の加速度という奇妙な境界線を発見します。