社員のやる気を支援する
組織は往々にして優秀な上位2割、どうということのない6割、ぱっとしない下位2割に分かれるものだが(2:6:2の法則)、ほおっておくと上位2割ほど離職する可能性が高い。彼らを飽きさせないよう常に新たなチャレンジやキャリアパスを与えつつ、それ以外の社員に気付きを与えることでやる気を喚起する必要がある。
そして、これら一連のシステムを動かす原動力として不可欠なものが一つある。
社員との信頼関係を構築する
どんな社員でも、磨けば光ります。もし、まだ光っていない社員がいるとしたら、それは磨いていないか、磨き足りないか、磨き方が間違っているかのどれかでしょう。「人は誰もがダイヤの原石」と信じるということは、言い換えれば「社員の長所も欠点も受け入れる覚悟をする」ということです。
たとえば、外から自分の部署に電話をかけたら部下が出て、ひどいぶっきらぼうな電話の対応だったとします。そもそもこの部下がダイヤの原石で素晴らしい才能を持っていると信じていれば、単純に「そうか、できないのか。なら教えよう」と思えますが、部下の善悪を判断するつもりでいると「こいつ、ダメな奴だ。イライラするなあ」という反応になってしまいます。
人は自分の欠点を受け入れてくれた人の話を聴きます。正しいか、正しくないかではなく、「自分を信じてくれる味方」かどうかで心を開くのです。
人材の定着に苦労しているという経営者はもちろん、現場の管理職向けのマネジメント指南書としても、本書は高い実用性を発揮するに違いない。
文・城 繁幸
編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2018年9月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。
文・城 繁幸/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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