世界でもっとも愛されているウサギといっても過言ではないピーターラビットTM。シリーズ第一作『ピーターラビットのおはなし』が出版されて今年で120周年を迎えます。

そのメモリアルイヤーをお祝いする展覧会「出版120周年 ピーターラビットTM展」が大阪・あべのハルカス美術館で開催中です。(〜9/4まで)

誕生前夜から今日にいたるまでの歩みを旅し、ピーターの〈バースデイパーティ〉をいっしょに楽しみましょう♪

ピーターラビットはどのようにして生まれたのか?

ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターTMは、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた時代の1866年にロンドンで生まれます。料理人や使用人を雇っている裕福な家庭でしたが母親はきびしく、〈ばい菌がうつるから〉と外出を禁じていました。友だちのいないビアトリクスは絵を描くことが大好きで、とくに小動物を好んで描いていたそうです。

そんなビアトリクスが17歳になる直前、アニー・カーターという家庭教師がやってきます。アニーは語学や算術に加え、油彩画もビアトリクスに教えます。やがてアニーは結婚のために家庭教師を辞めますが、ふたりの関係はつづいていき、ビアトリクスはアニーの子どもたちを自分の息子や娘のように接していたのだとか。

ある日、ビアトリクスはアニーの長男の「ノエル」が病床にあることを知ります。そして、彼を元気づけるため、ペットショップで購入し「ピーター」と名づけていたウサギを主人公にした絵手紙を送るのです。

そう、これがピーターラビットのはじまり。本展では、ピーターラビットの原点でもあるノエルに送った絵手紙〈直筆オリジナル〉を日本初公開しています。

紙を四つに折り、それぞれに魅力的なウサギたちのシーンと文章を記した絵手紙は、すでに絵本の体をなしており、『ピーターラビットのおはなし』がここからはじまったことを実感できます。

展覧会「出版120周年 ピーターラビット(TM)展」HAPPY BIRTHDAY! ピーターラビットの 歩みを旅するパーティを楽しもう♪
(画像=日本初公開の《ノエル・ムーア宛ての絵手紙》、『one web』より 引用)

シリーズ最初の絵本の彩色画全点※1など、日本初公開もたくさん!

《ノエル・ムーア宛ての絵手紙》以外にも、本展にはいくつもの日本初公開作品が展示されています。ペットのウサギをモデルにしたスケッチやグリーティングカード、詩集の挿絵はピーターラビットシリーズが誕生する前のビアトリクスの仕事で、いたずら好きのピーターラビットとは違うウサギの様子が楽しめます。

なかでも、ヒルデスハイマー&フォークナー社より販売されたグリーティングカードは、新年やクリスマスを祝うためのものでリッチな風味。ロンドンの街を歩くウサギは、とてもおしゃれに映ります。

展覧会「出版120周年 ピーターラビット(TM)展」HAPPY BIRTHDAY! ピーターラビットの 歩みを旅するパーティを楽しもう♪
(画像=《グリーティングカード》も日本初公開、『one web』より 引用)

そして、今から120年前の1902年。シリーズ最初の絵本『ピーターラビットのおはなし』がロンドンの出版社フレデリック・ウォーン社※2から刊行されます。ビアトリクスはすべての挿絵を水彩画で描いており、本展では日本初公開の原画を含む彩色画全点を紹介しています。初版では未掲載となった挿絵の原画も展示しており、当時のビアトリクスが思い描いていた絵本の姿にふれられます。

展覧会「出版120周年 ピーターラビット(TM)展」HAPPY BIRTHDAY! ピーターラビットの 歩みを旅するパーティを楽しもう♪
(画像=《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》の全点展示は日本初!、『one web』より 引用)

※1 ビアトリクスによる原画が所在不明となっており、フレデリック・ウォーン社が、2010年に再制作したものを含みます。

※2 フレデリック・ウォーン社はThe World of Peter Rabbit™のブランドオーナーです。