東京オリンピックのため来日した太平洋の島国フィジーの選手団が、ちょっとした災難に見舞われました。
フィジーの選手たちが「魚と相席」?
南太平洋の島国で、オセアニア島嶼地域のリーダー国のひとつとして知られるフィジー。治安もよく、南国らしい景色を求める人たちに人気の観光地となっています。
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人口は佐賀県よりも多少多い程度ですが、ラグビーを始めいろいろなスポーツが盛ん。もちろん東京オリンピックにも選手団を派遣しています。
しかし、その東京オリンピックフィジー選手団が、とある災難に見舞われていたことがニュースになりました。8日に成田空港に到着したフィジー選手団51人が、民間航空機ではなく、冷凍魚と一緒に貨物機で来日したというのです。なぜそんな事が起こったのでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大の影響
いま、コロナ禍により世界的に経済活動が縮小しており、それに伴い太平洋諸島を離着陸する民間機の航空便が大幅に減少しています。とくに移動客の大半が観光目的という南太平洋諸国では、需要の低下に伴い航空便が激減しているようなところもあります。
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そのあおりを受け、今回選手たちが来日するための移動手段がうまく確保できなくなってしまったそうなのです。そしてその結果、主に冷凍の魚を輸送するフィジー~日本間の定期貨物航空便に「相席」せざるを得なくなってしまったといいます。
当初はオーストラリアからの直行便で東京入りする予定だったといいますが、これも感染対策の規制によって変更を余儀なくされたのだそう。ただし、機内には選手たち用の座席が設置され、座るスペースはしっかり確保されていたとのことです。
同席したのはどんな魚?
さて、ここでちょっと気になるのは「どんな魚と一緒に来たの?」ということ。ニュースでは、「相席」した魚たちの詳細は残念ながら明らかにされていませんが、想像することは可能です。
日本ではそこまで知名度が高いとは言えないフィジーという国ですが、魚介類の輸入先としては一定の存在感があります。近年、日本はフィジーからマグロ、ウニなどといった魚介類を輸入しており、これらは回転寿司のネタなどで活躍しています。
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なかでもマグロは主要輸入品で、全輸入マグロのうちフィジー産は1%強を占めています。フィジーではビンナガマグロやキハダマグロの漁が盛んで、日本に輸入される生鮮ビンナガマグロの3割強はフィジー産となっています。
フィジーのビンナガマグロ延縄漁は、SDGsに配慮した漁業により漁獲された魚介類であることを示す国際基準「MSC認証」も取得しており、今後スーパーなどで「フィジー産マグロ」の文字を見ることはより増えていくかもしれません。
ということで、選手たちと一緒に来日したのは「マグロ」なのではないかと思うのですが、実際はどうでしょうか。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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