そもそも「海草」ってあるの?
では、科学的に「海草」と呼べるものは果たして存在しているのでしょうか。答えは「ある」で、海の中にある「草」もちゃんと存在します。
「海草」は一般的な陸上生物と同じ「種子植物」であるため、根・茎・葉の部分の区別ができ、花も咲かせ、種子をもつけます。このようなものの代表的に「アマモ」があります。
海中にあり、根を噛むと甘いことから「甘藻」と名付けられたのですが、現在食用にされることはなく、人間との直接的な関わりはほぼありません。一方で、魚や海棲生物にとっては欠かせない存在で、様々な生き物のすみかとなるほか、産卵場所としてもとても重要です。そのため、アマモの生える「アマモ場」と呼ばれる海域は、地域の水産関係者によって大事に保護されています。
アマモなどの海草は、藻類ではないため成長にあたり空気が必要。そのため浅い場所にしか生息できず、生息地の埋立て等により、全国的に生息数を減らしています。直接食用にはならないものの、我々の食卓を支える存在である彼らを大事にしていかないといけません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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