ファッション領域を強化する楽天グループ

楽天ファッションは楽天グループが運営するファッション通販サイト。2013年に買収したファッション通販サイト「スタイライフ」の事業を15年4月に継承。19年10月にはファッション領域に本格的に取り組むため「楽天ブランドアベニュー」サイトをリニューアルし、「楽天ファッション」にリブランディングした。流通総額は非公表だが、19年に三木谷会長はグループにおけるファッション関連事業の流通総額を約6000億円だと明かしている。

20年6月に立ち上げた専用アプリのダウンロード数は1000万に達した。当初は国内ナショナルブランドを中心に扱っていたが、この1~2年でラグジュアリーブランドや国内外のデザイナーズブランドにも幅を広げ、今年3月にはコスメの販売フロアも新設した。

楽天ファッションが「スタッフスタート」と連携! コーデ投稿機能が実装へ
(画像=楽天ファッションは今年3月にブランド化粧品を販売する「Rakuten Fashion COSMETICS」を開設するなど扱い商品の幅を広げている、『DCSオンライン』より引用)

ファッション業界では過去は路面店とファッションビルなどの館ごとに顧客や販売員、在庫がばらばらに運営・管理され、ECでも同様に自社ECとモールでは顧客と在庫が別個に管理されていた。ただ最近はデジタル化の進展によって、販売チャネルの垣根を越えたクロスボーダーな動きが見られ、①顧客のクロスチャネル化、②販売員のメディア化、③在庫の統合管理―の方向に進んでいる。

これに対し楽天グループでは、楽天ファッションを軸に楽天ユーザーをアパレル企業の実店舗に送客、AI(人工知能)を活用し顧客の分析・発掘を進め、ECと実店舗の在庫を一元管理するなど出店企業への支援を進めてきた。

今回のバニッシュ・スタンダードとの連携は「スタッフコーデによる接客の場として楽天ファッションを提供。実店舗やECなどの販売チャネルを横断し販売員の活躍の場を広げるものだ」と楽天グループの松村亮 上級執行役員コマースカンパニー ヴァイスプレジデントは位置付けている。

今後はさらにデータ活用によるユーザーとのマッチングを強化。将来的には販売員が顧客(フォロワー)に向けて、接客販売できるツールなどを提供することを検討している。

提供元・DCSオンライン

【関連記事】
「デジタル化と小売業の未来」#17 小売とメーカーの境目がなくなる?10年後の小売業界未来予測
ユニクロがデジタル人材に最大年収10億円を払う理由と時代遅れのKPIが余剰在庫を量産する事実
1000店、2000億円達成!空白の都心マーケットでまいばすけっとが成功した理由とは
全85アカウントでスタッフが顧客と「1対1」でつながる 三越伊勢丹のSNS活用戦略とは
キーワードは“背徳感” ベーカリー部門でもヒットの予感「ルーサーバーガー」と「マヌルパン」