消化管の中で生き延びる生き物

さて、このマメガムシほど驚愕的ではありませんが、同様に「消化管内で生き延びられる」生き物たちはほかにも存在しています。

例えば、非常に小型のカタツムリの一種「ノミガイ」は、鳥に捕食されてもその15%ほどが生きたまま糞から排泄されるといいます。移動能力が低いノミガイですが広い範囲に分布が確認されており、この能力によって生息域を広げているという説があります。

また、口から入るわけではないですが、魚にも同様に「消化管内で生きていられる」カクレウオという魚がいます。彼らはナマコの消化管内に入り込む性質があり、ナマコを陸に上げると慌てて肛門から飛び出してくることがあります。

天敵に飲み込まれても生きている「ちょっと変わった」生物たち
(画像=ナマコの肛門(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)

彼らは自分から消化管内に入り込んでおり、隠れ家として利用していると考えられています。この行動に関して、ナマコサイドには特に利益がないと見られており、動物同士の関わり合いで片方にしか利益がない「片利共生」の代表例としてしばしば紹介されます。

先日見た映画「メン・イン・ブラック」では、主人公の一人が敵の宇宙人の体内に入り込み、生還するというシーンが有りましたが、動物たちにはこれを現実のものとしてしまうものがいるのですね。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

提供元・TSURINEWS

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