巣の周辺でエサを待つ

梅雨が早々に明け、雨が降っていません。降雨で川の水が入り、プランクトンが増え、マダコの好物の甲殻類が増えるとマダコは活性が上がります。そして、浅場の明石二見沖にやってきますが、まだ深場にいるようです。

40mの深場で狙うのと、15m前後までの浅場で釣るのでは、容易さは勿論ですが、駆け引きのおもしろさが違います。マダコは、移動しながらエサを探すより、巣の周囲一定範囲にくるエサを狙います。エサが多いところはマダコの寄り場で、巣がたくさんあり、こういう場所を見つけたら、ポンポンと釣れます。釣られて空き家になった巣は、多くの場合すぐに違うタコが入るそうです。

誘いは「間」が大事

マダコの好物は、エビカニの甲殻類。だから、タコエギはエビのような風体で、大好物の姿で惑わせる釣り方ですが、それを見つけ認識させて、エサを押さえ込む間が必要でしょう。船が1ktで流れたら秒速は約50cmと速いです。タコが見つけて乗っかる前に走り去ることになるような気がしますが、いかがでしょうか。

巣からにらみを利かせていたタコが出てきて、押さえ込めるような間を作ってやらないと、今年はただでさえ少ない個体数ですから釣れないと考えます。そこで、いつもの誘い方の細かく小刻みなものではなく、今日の誘いは大きくゆっくりと間を取ることを忘れないようにしました。

半夏生(はんげしょう)に食す明石タコを釣り上げる 500g頭に6匹手中
(画像=半夏生(はんげしょう)に食す明石タコを釣り上げる 500g頭に6匹手中使用したタコエギ(提供:TSURINEWSライター丸山明)、『TSURINEWS』より 引用)

当日の状況と作戦

さて釣行当日の6月29日、潮の動き始めは6時ごろ、午前中は速く強くなく上げ潮が動くので6時半過ぎに明石二見沖の東端のポイントに入りました。水深15m前後の過去の実績場で、マダコの巣があるところを順番に探っていきます。

いつもの誘いより大きくゆっくりと、フワーッとフォールするエギを大好物のエビに見せられるよう、またエギをすぐに動かすのではなく、何回かに1回はステイの時間を長くとり、エギに乗る間を作りました。

今日は、この誘いで通し、間の後に穂先で聞きモニャッと重みが出たら乗りです。ゆっくりとカウントダウンして慌てず大アワセを入れると、ズンと重みが出ます。あとは、この重みを感じながら等速で巻き上げれば、おいしいマダコが手に入ります。この釣りは、乗せる駆け引きと得体のしれない重みが楽しい不思議な魅力があります。

半夏生(はんげしょう)に食す明石タコを釣り上げる 500g頭に6匹手中
(画像=半夏生(はんげしょう)に食す明石タコを釣り上げる 500g頭に6匹手中不思議な魅力を持つマダコ釣り(提供:TSURINEWSライター丸山明)、『TSURINEWS』より 引用)

最終釣果

1回バラしました。巻き上げ途中で外れて逃げられましたが、乗りからアワセまでの時間が短かったのでしょうか?

しかし、9時過ぎに潮が緩み止まるまでの予定時間内に 500gから6匹釣れましたので、私には上々。3~5匹釣れればよしとしていましたので、目標達成です。ひとり気ままなボート釣りのいいところで、暑くなる前に早めの帰港です。

半夏生(はんげしょう)に食す明石タコを釣り上げる 500g頭に6匹手中
(画像=半夏生(はんげしょう)に食す明石タコを釣り上げる 500g頭に6匹手中最終釣果(提供:TSURINEWSライター丸山明)、『TSURINEWS』より 引用)

釣果グルメを堪能

帰宅後の晩ご飯は明石タコ三昧で、お腹いっぱいになります。刺し身に煮て焼いてとおいしさ満点を味わうと、「もっとたくさん釣れないのか」と欲の塊が膨らみました。それだけ、おいしいということですが、7月になり釣況が好転するのを次回の楽しみにします。

<丸山明/TSURINEWSライター>

提供元・TSURINEWS

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