サムスン電子がGalaxy S22シリーズのイベントを前面に押し出し、今年第2四半期までグローバルスマートフォン市場で強気を見せている。ただ、ロシアのウクライナ侵攻の影響で市場規模が減り、中低価格のラインナップを強化したサムスン電子には悪材料になるものと予想される。これに伴い、下半期に発売を控えているGalaxyフォルダブル第4世代の役割がさらに重要になった。韓国メディア「グローバルエコノミック」が報じた。(写真:今年2月のGalaxy S22アンパックイベントの様子=サムスン電子)
市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、サムスン電子は今年4月、グローバルスマートフォンシェア24%で2017年4月以後5年ぶりに月最高値を達成した。2位のアップルは14%を占め、シェア格差は10%以上だ。特に、世界で2番目に大きいスマートフォン市場であるインドでは、2020年8月以降1年8ヵ月ぶりにシェア1位を奪還した。
これに先立ち、第1四半期(1~3月)もシェア格差はほぼ同じだった。市場調査会社のIDCによると、サムスン電子はシェア23.7%を占め、アップル(18%)と大差をつけた。特にアップルは前四半期対比市場シェアを増やしたにもかかわらず、サムスン電子と5%以上のシェア格差を見せた。
サムスン電子は今年2月に発売したGalaxy S22のイベントを前面に押し出し、グローバルシェアトップを維持している。 Galaxy S22シリーズは今年2月10日グローバル発売以後、前作対比2倍以上高い販売量を記録した。Galaxy S22シリーズは、国内では発売6週間で100万台を超え、米国でも初期3週間の販売量が前作より60%ほど高いことが分かった。
特にGalaxy S22ウルトラの販売比重が高い方だが、電子業界では最近2年間発売されなかったGalaxy Noteシリーズの需要を完全に吸収したためと見ている。
このように好調が続いているが、悪材料も残っている。ロシアのウクライナ侵攻でグローバルスマートフォン出荷量規模が減ったためだ。IDCによると、今年第1四半期のグローバルスマートフォン出荷量は3億1410万台で、前年同期比8.9%減少した。 今年2月、ロシアのウクライナ侵攻以後、米国を中心に全世界がロシア経済制裁に参加しサムスン電子もロシアスマートフォン市場から撤退した。ロシアは世界で6番目に大きいスマートフォン市場であり、サムスン電子がシェア30%台で1位を守り抜く重要な市場だ。特にロシアは欧州シェアの相当部分を担っている。
このため、サムスン電子は今年第1四半期、欧州スマートフォン市場でシェア37%で1位を占めたが、市場規模が減少し、前年同期比16%のマイナス成長となった。
さらに、中国のCOVID-19封鎖政策で、中国内シェアの反騰に困難を経験している。中国の封鎖政策がグローバル景気低迷に影響を与え、プレミアムフォンに対する需要が大幅に下がったためだ。
この中でサムスン電子はプレミアムフォンの販売でもアップルに大きく押されている。今年第1四半期基準で400ドル(約5万4450円)以上スマートフォンシェア調査の結果、アップルは前年同期対比5%p増えた62%を占め、1位を守った。これは2017年第1四半期以後、最も高いシェアだ。特にiPhone13シリーズがプレミアムフォン販売順位1~3位を全て占め底力を誇示した。
サムスン電子はシェア16%で2位を守った。ただ、第1四半期に発売したGalaxy S22ウルトラが5位に上がる水準に止まった。サムスン電子に続き、OPPO、シャオミ、VIVO、ファーウェイなど中国企業が名を連ねた。ただ、400ドル(約5万4450円)以上のスマートフォン市場規模が前年同期比8%ほど減り、グローバル景気低迷を実感させた。
このように市場状況が良くなく、下半期にサムスン電子が発売する第4世代フォルダブルフォンに対する関心がさらに大きくなった。サムスン電子は昨年、従来のフラッグシップモデルであるGalaxy Noteシリーズの代わりに、Galaxy Z Flip3とGalaxy Z Fold3を発売した。
フォルダブルフォンの大衆化を狙ったサムスン電子のこのような戦略は成功を収め、昨年に世界で最も多く売れたフォルダブルフォン上位5モデルを全てサムスン電子が占めた。特に、Galaxy Z Flip3とGalaxy Z Fold3の販売量は、全体フォルダブルフォン販売量の61%を超える水準だ。以前のモデルまで含めれば、全体フォルダブルフォン市場でサムスン電子の70%台に達する。
しかし、スマートフォン市場でフォルダブルフォンの割合が増え続けているが、全体市場で割合は依然として少ない。ただ、成長の勢いがはっきりしているだけに、前年同期比販売量とシェアの割合は高くなるものと予想される。これに伴い、今年8月のGalaxy Z Flip4とGalaxy Z Fold4の発売が第3四半期のスマートフォンシェアとサムスン電子スマートフォン業績にも影響を与えるものと予想される。
市場調査会社のオムディアは昨年に販売されたフォルダブルフォンは計900万台であり、今年は1400万台が出荷されるものと見通した。続いて2026年には出荷量が6100万台に達し、スマートフォン出荷量全体の3.6%になると見通した。
提供元・コリア・エレクトロニクス
【関連記事】
・韓国の双竜自動車が日本で販売?「ヒュンダイも撤退したのに…」 韓国紙が関心
・韓国がパワー半導体のSiC素材検査技術を国産化…「日本の半分のコストで開発」
・LGグループが日本法人社屋を約200億円で急遽売却へ
・米特許登録数 IBM1位、サムスン2位、LG3位、4位キャノン
・フォルクスワーゲンが韓国二社とのEV電池取引を打ち切りか…特許紛争に嫌気?