ニトリホールディングス(HD)が発表した2022年3〜5月期の連結業績は、売上高が前期比0.6%増の2166億円、営業利益が13.7%減の369億円、純利益が14.3%減の249億円だった。積極的な出店で売上高は微増となったものの、円安の進行や輸入コストの上昇で減益となった。
為替の影響と貿易費用など輸入コストの上昇で、利益が71億円押し下げられた(経常利益ベース)。新規出店に伴う設備コストや人件費、広告費の増加も負担となった。
セグメント別では、ニトリ事業の売上高が5.3%増の1873億円、営業利益が12.7%減の359億円だった。海外を含めて30店舗を新規出店した効果で売上高は伸びたが、巣ごもり需要の一巡などで、既存店ベースでは2.3%の減収と苦戦した。海外では、48店を展開する中国で、感染症再拡大による都市封鎖などの影響により最大32店が営業停止となるなど、厳しい状況が続いた。
島忠事業の売上高は17.5%減の311億円、営業利益は38.8%減の9億円だった。新規出店はなく、1店舗を閉鎖した影響もあって売上が落ち込んだ。島忠全店でニトリポイントが使えるようにしたり、日用品・ペット用品・園芸用品などでプライベートブランド商品の開発を急ぐなど、収益力の強化を図っている。
23年3月期通期の連結業績については、従来予想を据え置いた。決算期の変更に伴い13カ月11日の変則決算となる今期は、売上高が前期比18.7%増の9636億円、営業利益が8.9%増の1506億円、純利益が7.5%増の1040億円と増収増益を見込んでいる。
提供元・DCSオンライン
【関連記事】
・「デジタル化と小売業の未来」#17 小売とメーカーの境目がなくなる?10年後の小売業界未来予測
・ユニクロがデジタル人材に最大年収10億円を払う理由と時代遅れのKPIが余剰在庫を量産する事実
・1000店、2000億円達成!空白の都心マーケットでまいばすけっとが成功した理由とは
・全85アカウントでスタッフが顧客と「1対1」でつながる 三越伊勢丹のSNS活用戦略とは
・キーワードは“背徳感” ベーカリー部門でもヒットの予感「ルーサーバーガー」と「マヌルパン」