目次
ハヤブサとの出会い
ドラッグレースならではのセッティング

1/4マイルを9秒ほど走り切り、短時間で勝負がつくドラッグレース。
JD-STERではこのドラッグレースを年間5戦行ない、シリーズチャンピオンを決定しています。

そのJD-STERに参戦している選手やマシンをこれから数回にわたって紹介していきましょう。

第1回目は2021年PROオープンクラスチャンピオン・白田文博選手です。
車両はスズキのハヤブサをベースにドラッグマシンへと仕上げた〝GSX1441R〟です。
ドラッグレースを初めて12年という白田選手ですが、元々は違うカテゴリーでモータースポーツを楽しんでいたそう。

究極の世界で戦うドラッグレース! ハヤブサで戦う白田選手にインタビュー【2021年PROオープンクラスチャンピオン】
(画像=『Moto Megane』より引用)

「元々ずっとロード(レース)をやっていました。ただ怪我で頚椎を痛めてしまったんです。」
ということで、ロードからは少し距離をおきエンデューロレースに興じるのですが、やはりハードな走りに体が悲鳴を上げ始め、今度はアドベンチャーバイクで遊ぶことに!

「無茶ができるエンデューロマシンと違って、車格の大きなアドベンチャーマシンなら大人しく走らざるを得ないかなと(笑)。
でも大人しく走っても面白くなくて、結局その大きなマシンでもゴリゴリに遊んでいます。

ドラッグレースは、子どもたちへの手があまりかからなくなった小中学生ぐらいになった時に、
〝これだったら怪我しないだろう〟ということで始めました。必ず出ているレースはこれだけです」。

ハヤブサとの出会い

究極の世界で戦うドラッグレース! ハヤブサで戦う白田選手にインタビュー【2021年PROオープンクラスチャンピオン】
(画像=『Moto Megane』より引用)

白田さんがドラッグレースのマシンとして選んだのは、メガスポーツとして人気の高いスズキのハヤブサ。
このマシンを選んだ経緯や、マシンの特徴とは?

「12年ぐらい前に『ドラッグレースで日本一になりたい』とクラスフォーエンジニアリングを訪れて、その時からずっとハヤブサです。
ハヤブサは、豊富なチューニングパーツ、強いエンジンがドラッグレースに最適ということで薦められ新車で購入しました。

究極の世界で戦うドラッグレース! ハヤブサで戦う白田選手にインタビュー【2021年PROオープンクラスチャンピオン】
(画像=『Moto Megane』より引用)

2010年に2代目のハヤブサに乗り換え、そのマシンを今でも使っています。
レースで酷使していますが、メンテナンスはもちろんオーバーホールもしっかりとしているので全然問題ないですね。

当初ドラッグレースに関するノウハウがなかったので、クラスフォーエンジニアリングで聞きながらマシンを作り上げていった感じです。
もっとも、最初からフルにチューニングをしてしまったら乗れません。ですので自分の腕がマシンに追いつきタイムが出るようになると、さらに手を加えていきました、
今はエンジンもチューニングを施して、もうほぼ最終段階まで進んでいます。

何馬力ぐらいでているのか?とも聞かれるのですが、計測していないのでなんとも…。
ノーマルで180馬力ぐらいで、このマシンにはNOS(ナイトラス・オキサイド・システム:大気の2倍以上の酸素を含んだ亜酸化窒素を混合器にまぜることで高い燃焼エネルギーを生み出すシステム)と排気量アップで300馬力ぐらいでていると思います。ただ、500馬力ぐらいまでは出せるんです。問題はそこまでパワーを出せても、日本の路面だとグリップしないので滑ってしまうんですよね」

究極の世界で戦うドラッグレース! ハヤブサで戦う白田選手にインタビュー【2021年PROオープンクラスチャンピオン】
(画像=『Moto Megane』より引用)
究極の世界で戦うドラッグレース! ハヤブサで戦う白田選手にインタビュー【2021年PROオープンクラスチャンピオン】
(画像=『Moto Megane』より引用)
究極の世界で戦うドラッグレース! ハヤブサで戦う白田選手にインタビュー【2021年PROオープンクラスチャンピオン】
(画像=『Moto Megane』より引用)

ドラッグレースならではのセッティング

究極の世界で戦うドラッグレース! ハヤブサで戦う白田選手にインタビュー【2021年PROオープンクラスチャンピオン】
(画像=『Moto Megane』より引用)

数秒で勝敗が決まる世界のドラッグレース。マシンも非常に特殊なセッティングとなっています。

「フロントが加速で浮き上がらないようスイングアームを伸ばした分、トラクションはかかりにくくなっているんです。
そこでリヤサスペンションは柔らかめにセットしています。スタートしてトラクションがかかるとリヤがグンッと沈みこんで路面を捉えてます。
だいたい60フィートぐらいまでは沈んだままいって、徐々に上がってくるようにセッティングされています」。