<事例3>福島第一原発の処理水の風評

<事例3>衆・東日本大震災復興特別委員会 2022/03/16

岸本周平議員(国民民主党):私も実は、この復興特に参加をさせていただいて以来、ALPS処理水の問題をずっと質問させていただいておりました。(中略)今私たちが置かれている状況は、これ以上どんどんどんどん処理水をためていって、際限なくためていくということも、これは現実的にはなかなか難しいということでありますから、本当に、我々が、与野党関係ないと思います、私たちは現場の声を聞きながら、しかし一方で全体の行政を進めていかなければいけない、本当につらい決断を我々はしていかなきゃいけない。行政もそうでしょうし、我々立法府としても。立法府としても、ここで十分な審議をしながら何とか前に進めていく。本当に与党も野党もないと思います。(中略)きつい言い方をすれば役人の作文では風評被害は阻止できないということにはなるんですけれども、しかし、そんなに私たちは賢くないので、魔法のつえはないわけでありまして、これをやれば風評被害が抑えられるなんということはできないわけですから、ともかく、できることはこつこつと、小さなことでもこつこつとやっていく以外にないのではないかと思っています。

福島第一原発のALPS処理水は科学的な安全性が立証されています。その風評被害を払拭する「魔法の杖」は、内閣官房長官が毎日の定例記者会見の冒頭で「ALPS処理水は安全である」とマスメディアが報道するまで繰り返し言い続けることです。

NHK・民放テレビをはじめとする日本のマスメディアは、ALPS処理水の風評被害を問題視する一方で、その風評の拡散メカニズムを問題視することはありません。それもそのはず、実質上この風評を拡散している元凶こそがマスメディア自身であるからです。風評被害をネタにして風評を否定しないマスメディアは、明らかに報道倫理を逸脱しています。

文・藤原かずえ/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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