世界イメージセンサー(CIS)市場シェア1位のソニー(43%)と2位のサムスン電子(19.7%、2021年基準)が激しい技術力争いを繰り広げ、無限競争を予告した。韓国メディア「アジアタイムズ」が報じた。(写真:2億画素のイメージセンサー「アイソセルHP1」で撮影した写真の屋外印刷物=サムスン電子)

ソニーが初めて1インチスマートフォン向けイメージセンサーを開発するなどピクセル小型化に重点を置くならば、サムスン電子は超高画素・解像度を強調しながら技術進化を図るなど、きめが異なるという部分で今後の成り行きが注目される。

主な顧客企業のファーウェイが米国の対中制裁で不振を免れず、ソニーの市場シェアが停滞している間にサムスン電子が積極的な生産規模拡充で勝負に出たというのが市場の分析だ。

30日業界によると、7月4日にシャオミが公開する「シャオミ12Sウルトラ」にソニーの「IMX989」イメージセンサーが搭載され、初めて披露される。シャオミ12Sウルトラカメラは5000万画素にピクセルサイズは約1.5µm(マイクロメーター)になると伝えられた。

現在、ソニーの一部スマートフォンはすでに1インチイメージセンサーを採用しているが、これはスマートフォン向けではなくソニーデジタルカメラに使われるセンサーのクロップ(crop)センサーだ。IMX989はスマートフォン向けに製作された世界初の1インチイメージセンサーとして名を連ねた。ソニーはまた、スマートフォン向け1億画素のイメージセンサー開発にも着手したという。

市場トップのソニーを超えるためのサムスン電子の足取りも早まっている。今月23日、サムスン電子は業界最小の0.56μm大きさのピクセル2億個を搭載したイメージセンサー「アイソセル(ISOCELL)HP3」を公開した。

1.4分の1インチ規格の「アイソセルHP3」はピクセルサイズを既存製品対比12%減らした0.56μmで設計され、モバイル機器搭載カメラモジュールサイズを最大20%まで減らすことができるようになった。

新製品は2億個の画素全体を活用する位相差自動焦点技術「スーパーQPD(Quad Phase Detection)」を採用した。これは左右、上下の位相差を利用してより速く正確に焦点を合わせるようにしてくれる。また、イメージセンサーの全画素を活用して焦点を合わせることができ、イメージ全領域で鮮明な画質を提供する。

アイソセルHP3は全画素自動焦点機能と共に1秒当たり30フレーム8K超高解像度、120フレーム4K高解像度映像を採用し、映画撮影水準の「シネマカメラ」性能を実現した。特に今回の製品は写真撮影のような画角で超高解像度8K映像撮影を採用するのが大きな特徴だ。

アイソセルHP3は昨年9月にサムスン電子が公開した「アイソセルHP1」のアップグレードバージョンに挙げられる。アイソセルHP1は当時、業界で初めて2億画素の壁を越えたモバイルイメージセンサーで業界の注目を集めた。「アイソセルHP1」は量産体制を整え、2023年に発売される「Galaxy S23」にも搭載されるものと見られる。

ソニーとサムスン電子のシェア格差がさらに縮まるかもカギだ。ソニーの市場シェアは2010年までに60%を越えたが、2015年には60%台が崩れた。以後、毎年2~3%下落し2019年には初めて50%以下に落ちた。反面、サムスン電子は2010年以後着実にシェアを高め、2015年にはオムニビジョンを抜いて業界2位に上がった。その後、現在年間シェア20%突破を控えている。

ソニーのイメージセンサー市場不振の背景としては、米国の中国制裁が挙げられる。ソニーはスマートフォン向けイメージセンサーの相当な物量を中国会社に納品しているが、米国の制裁で中国ファーウェイスマートフォン販売が急減し、ソニーのイメージセンサーシェアも低くなった。

業界のある関係者は「ソニーの新しいイメージセンサーがサムスン電子2億画素センサーより画質がさらに良いだろうという分析がある」としながらも「画質実現はイメージ処理アルゴリズムにともなう問題であるため予断することはできない」と述べた。

この関係者はまた「サムスン電子フラッグシップスマートフォン(Galaxy S23)がシャオミ12Sウルトラとカメラ性能に匹敵できるかは時間が経ってから分かるだろう」と付け加えた。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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