トレーニングを開始して半年以上が経過した。そういう人たちはもはやビギナーではない。しかし、半年以上のトレーニング歴があっても、まだ自分に適したワークアウトを組み立てる自信がないという人は少なくないし、むしろ、どんなワークアウトがトレーニング歴6ヵ月経ったときにふさわしいのか知りたいという人も多いのではないだろうか。
文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
残念ながら、誰にとっても最適と言えるようなプログラムは存在しない。理由は簡単だ。人それぞれだからだ。同じ半年でも身体つきが同じであることはなく、筋力レベルだって体脂肪率だって筋量だって異なる。共通していることがあるとすれば、それはトレーニング歴が半年以上あるということだけだ。
それでも指標になるものはある。トレーニング歴が半年以上ある人に、さらなる筋発達を得てもらうためにいくつか確認してほしいこと、重点を置いてほしいことがある。それらを参考にして、トレーニング意欲を低下させることなく、結果に結びつくプログラムを模索していこう。
そのトレーニングは刺激になっているか
筋発達は筋肉を刺激することで得られる。行うトレーニングが筋肉にとって刺激になっていれば、筋肉はその刺激に耐えて発達反応を起こす。
しかし、それほど頑張らなくてもできてしまうようなトレーニングや運動を続けても、それは刺激にはならないので筋肉は発達反応を起こさない。そのため、継続して筋発達を得るためには、行うトレーニングは筋肉にとって常に刺激にならなければいけないわけだ。それは発達しやすい部位も発達しにくい弱点部位も同じである。
必要なのは「漸増負荷」をかけることである。つまり、種目の動作が楽に行えるようになったら負荷を増やす。楽なままどれだけトレーニングを続けても、時間とエネルギーを浪費するだけだということを忘れないようにしよう。
漸増負荷と言っても、負荷の増やし方にはさまざまな方法がある。最もシンプルなのは使用重量を増やすことだが、それ以外にレップ数の増加、セット数の増加、セット間の休憩時間を短縮などがあり、他にもジムに行く頻度を増やしたり、強度を高めるテクニックを取り入れたりするのもいいだろう。もちろん、一度に全てを採用する必要はないし、そんなことをすれば疲労が回復しなくなってしまう。
種目の動作が楽に感じてきたら、試しにどれかひとつの方法を取り入れて筋肉への刺激を増やしてみるといいだろう。ただし、どの方法を採用するにしても、正しいフォームが維持できる範囲であることが条件になる。また、例えば使用重量を増やしたとしても、運動の可動域を狭めてしまわないように。「正確なフォーム」と「フルレンジ動作」は基本的な約束ごとだ。たとえ運動強度を高めたとしても、この2つがおろそかにならないように注意しよう。