出汁はひく?とる?

ちなみに出汁を取る際、2つの言い方を耳にしたことはないでしょうか。

【ダシを引く】【ダシを取る】これらはどちらもよく聞く言葉だと思います。

料理が好きでこだわりの強い人が格好つけて「引く」を使っているんじゃないの?

そう思っている人も多いと思いますが、実際これはどちらかが正しくて、どちらかが間違っているということではありません。

二つの言葉が存在するように、実際にだしの取り方には二つの方法があります。

【ダシを引く】さっと引き上げる・・・うま味を引き出す
【ダシを取る】ぐつぐつ煮出す ・・・うま味を絞り出す

これが本来の使い方だと言われており、【ダシを引く】に関しては、素材から出汁を引き出すことを指します。

「和食は引き算の料理」とは言いますが、”素材の味を引き出す”というのはなんとも日本人らしい言葉の使い方に思えますね。

和食の要『出汁』の世界 「ダシをとる」「ダシを引く」の違いとは?
(画像=出汁を取る(出典:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)

合わせ出汁は二つある

合わせ出汁は、カツオ節と昆布から取った出汁のことです。

旨味の相乗効果を期待できるカツオ節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸の組み合わせで、いろいろな料理に使えます。

かつお節と昆布を使った合わせだしにはさらに「一番出汁」と「二番出汁」があります。

一番出汁

昆布を水から煮て沸騰直前に取り出し、カツオ節を加えてカツオ節が鍋の底に沈むまで待ったものを濾します。

透明度の高い出汁なのでお吸い物や薄味に仕上げたい料理に用いられます。

二番出汁

一番出汁を取った後のカツオ節と昆布を使い、新しいカツオ節を加えてさらに出汁を取ったものです。

煮物やみそ汁などによく用いられます。

手間をかけてさらに美味しく

日本の料理では欠かすことのできない「出汁」。同じカツオ節でも産地などによって出来上がる味も全く異なります。

少し手間はかかりますが、出汁にこだわって料理をするのも楽しいのではないでしょうか。

<近藤 俊/サカナ研究所>

提供元・TSURINEWS

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