コンサルティング会社の米マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、メタバースが生み出す価値は2030年までに推定で4兆〜5兆ドル(約540兆〜675兆円)に達する。同社がこのほど発行したレポート(「Value creation in the metaverse」)で明らかにした。
3000人以上の消費者と約450人の企業エグゼクティブを対象とした調査を実施し、個人用途と企業用途でメタバースが生み出すインパクトを推計した。
メタバースの主な用途としては、個人では社会的交流、エンターテインメント、ゲーム、旅行、買物、企業ではマーケティング、従業員教育、会議、イベント、(デジタルツインでの)製品設計が挙げられる。
2022年にメタバースが生み出す価値は2000億〜3000億ドルと見られるが、メタバース空間への投資は前年に比べて2倍以上の1200億ドル超に達する見込みで、今後は創出価値が飛躍的に拡大していく。
Eコマース関連では30年までに2兆〜2兆6000億ドルのインパクトを生み出すとマッキンゼーは推計している。小売業がメタバースを活用する利点として、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの技術を活用することによる売上の増加、顧客体験の向上などのほか、仮想空間で商品を試用・試着することによる返品の減少、仮想空間への出店による顧客接点の拡大と出店コストの削減などをマッキンゼーは挙げる。
提供元・DCSオンライン
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