トレーニングしているわりには腕が太くならない、バランス的に腕が弱いなど、悩みを感じているトレーニーも多いのではなかろうか。ここでは鈴木雅選手が腕トレに関する疑問をQ&A 形式で解説。初級者~上級者まで、段階的に腕のトレーニングを紐解いていく。

鈴木選手が腕の種目を選ぶとすれば?

POF法を用います

「二頭筋はバーベルカール、インクラインカール、ケーブルカール。三頭筋はクローズドグリップ・ベンチプレス、ライイングエクステンション、プレスダウンです。ストレッチ種目、ミッドレンジ種目、コントラクト種目を用いたPOF法ですね。

二頭筋のストレッチ種目であるインクラインカールを行うと、力こぶの丸みが変わっていくような感覚があります。ここでは短頭を主に狙います。シートには肩甲骨はつけますが、僧帽筋はつけません。僧帽筋までつけてしまうと体が伸長して、二頭筋はストレッチはされるんですが、収縮ポジションまで持ってこられず、初動で肩を使ってしまうからです。

シートの角度はその人の肩の柔軟性によって変わってくると思います。45度より高い角度にしないと、肩に効いてしまいます。

ストレッチポジションでは手首を少し回内(逆ハの字)させます。ここで手首を返しすぎると、長頭に刺激がいき、短頭への負荷が抜けてしまいます。

三頭筋の外側頭を狙うプレスダウンでは、足幅を狭くしすぎると収縮させづらくなります。広くしすぎると、今度は肩が伸展して負荷が逃げてしまいます。ですのでスタンスは肩幅と腰幅の間くらいにします。

バーは手首の近い位置で、軽く上からかぶせるような感じで握ります。ストレッチポジションでは力を抜いて三頭筋がストレッチできるようにし、また斜め前を向いて肩が伸展しないようにします」

鈴木 雅
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。

執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

取材・文:藤本かずまさ

提供元・FITNESS LOVE

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