日本百貨店協会が発表した5月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比57.8%増となった。19.0%増だった前月から伸び率が大きく高まり、回復傾向が一段と鮮明になった。

売上高が前年実績を上回るのは3カ月連続。コロナ禍前の19年5月との比較でも10.5%減の水準まで回復した。顧客別では、国内顧客が56.9%増、インバウンド(訪日外国人客)は約2.5倍だった。19年比では国内顧客が5.1%減とコロナ禍前の水準に近づいているものの、インバウンドは79.9%減と低水準にある。入国制限の緩和で今後インバウンドが戻ってくれば、伸び率が高まる余地は大きい。

商品別では全品目でプラスとなり、特にラグジュアリーブランドや時計、宝飾、美術など高額商材は、19年の実績も超えた。衣料品は80.6%増、化粧品などの雑貨は60.5%増、食料品は23.0%増だった。食料品では菓子が41.2%増と特に好調だった。

地区別でも全地区で前年比プラスとなった。10大都市は76.3%増と大幅に伸びた。前年は10都市のうち8都市が緊急事態宣言下にあり、その反動が出た。なかでも感染拡大の影響が大きかった大阪は約3.1倍増となった。10大都市を除く地方は22.2%増だった。

提供元・DCSオンライン

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