一般的にはマイナー魚?
人気釣りターゲットとして君臨するクロダイですが、普段釣りをしない人にとっては地味な存在ではないでしょうか。一般的に「タイ」と言えば「マダイ」というイメージが定着しているだけでなく、スーパーや魚屋でクロダイを見かける頻度はマダイよりも圧倒的に少ないこともあり、どうしても「価格が安いマイナー魚」と認識されがちです。
陳列されていても体色が地味で、他の魚に見た目のインパクトで 負けてしまうこともしばしば。しかし、普段からクロダイを釣っている筆者はスーパーでクロダイを見 かけるとついつい足を止めて反応してしまいます。
クロダイの魅力4選
釣りをする人としない人で評価が全く違うクロダイですが、釣り人だからこそ分かる魅力が詰まった魚です。今も昔も根強い人気がある理由を紹介します。
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1.身近な釣り場で狙える
クロダイは港湾部や堤防でも狙える身近な存在で、市街地を流れる河川の汽水域で泳いでいる姿を見かけることすらあります。タイの中でも沿岸性が強く、陸っぱりでも手軽に強い引きが楽しめることも人 気の秘訣です。
2.繊細さと豪快さを兼備
大きくなると50cmを超える魚ですが、体の大きさとは裏腹に繊細な一面もあります。活性が低く食い渋っている状況ではアタリがとても小さく、場合によってはほとんどアタリが出ないことも。
反対に活性が高いと、一気に引ったくるようなアタリが出ることもあれば、アタリは小さくともハリ掛かりした瞬間からずっしりとした重量感と強い引きで抵抗するなど、同じ魚とは思えない二面性で釣り人を翻弄します。
3.様々な仕掛けや狙い方がある
同じクロダイ狙いでも地域や土地ごとの特性が、仕掛けや狙い方に影響することが多く、フカセ釣りでは遠投が重要になる場所もあれば複雑で川のように流れる潮の攻略が特徴の場所もあります。
初めて訪れた釣り場でサオを出してみると、今まで自分の中でベストだと思っていた仕掛けや釣り方が全く通用しないことに驚かされることもあれば、新たな発見があることも。全国各地の様々な釣り場特有の攻略法が根付いていることも、クロダイの面白さです。
4.サイズが全てではない
一般的に釣った魚のサイズは大きいほど喜ばれますが、クロダイはサイズごとにそれぞれ異なる魅力があります。小型から40cmクラスの魚はパワフルで強い引きをみせますが、大型は重量感が別物でロッドが満月に曲がり込むので、やり取り中はとても気持ちがいいです。
また、40cm前後までのクロダイは体色がとても美しい個体が釣れることもあり、その見た目は本当に惚れ惚れします。実際にクロダイを釣った人にしか分からない感覚もあるので、これからクロダイ釣りに入門しようと考えている方もぜひ思い切って挑戦してみましょう。
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<杉本隼一/TSURINEWSライター>
提供元・TSURINEWS
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