まさかの40cm級一荷
午後になり深場へ移動。水深160m。ここで右舷トモの山田さんにこの日いちばんの本命がヒット。オニカサゴは深場にいる魚にも関わらず最後の最後まで力強く暴れ、水面でのバラシも多い。ファイトを存分に楽しみ上がってきたのは41cm。オニの名に恥じないその迫力に圧倒された。
さらに、ここからが圧巻だった。山田さんの丁寧な誘いにグイッと竿先が引き込まれ、感触を確かめながら巻き上げていると、さらにズシンと重みが加わった。なんと40cm級の一荷に船中が湧く。「こんなことはめったにないです」と船長の表情にも驚きと喜びが入り混じる。オニカサゴは1年で2cmほどしか成長せず、良型に育つには20年以上を要する希少価値の高い魚だ。
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鋭いトゲには毒があり危険だが、なぜ釣り人を惹きつけるのか。その理由を尋ねると、皆がそろえてその美味しさを挙げる。刺し身はもちろんのこと、山田さんのイチ押しはムニエルとのことで、なんと先ほど釣り上げた良型を土産に持たせてくれた。
絶品ムニエルを堪能
持ち帰り、さっそく捌いてみると身は肉厚で見るからに美味しそう。まずは刺し身でいただいたが、ブリンとした歯ごたえと甘みがなんとも言えず格別。丁寧に下処理をした肝や胃袋も絶品。そしてオススメのムニエルにはバルサミコ酢がよく合うと教えてもらい試してみると、これまた極上の味わいに驚いた。もちろんあら汁も最高で、余すところなくすべてが美味しい。
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根魚五目で釣れてくる魚も美味ぞろい。釣って楽しく、食べて美味しい。そんな釣り人の特権ともいえる至福の時をぜひ味わってほしい。
<週刊つりニュース関東版 江藤沙織/TSURINEWS編>
▼この釣り船について
まなぶ丸
出船場所:片瀬漁港
この記事は『週刊つりニュース関東版』2022年6月10日号に掲載された記事を再編集したものになります。
提供元・TSURINEWS
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