医学は人類の偉大な業績のひとつです。

植物からは漢方薬を、動物の毒からは血清を、ウイルスに対してはワクチンを作ることに成功してきました。

しかし、自然下のものが病原菌に役立つことを知っているのは、人間だけではありません。

最新研究によると、中国のニュウナイスズメは、巣の中の寄生虫を減らすためにニガヨモギの葉っぱを予防薬に使っていることが判明しました。

研究は、12月7日付けで『Current Biology』に掲載されています。

目次
スズメは「ニガヨモギ」の薬用効果を知っている?

スズメは「ニガヨモギ」の薬用効果を知っている?

動物が健康利益のために植物を使う例は、いくつか知られています。

ケニアのゾウは、妊娠すると出産を促進するために特定の葉っぱを食べますし、その他の哺乳類でも病気の治癒のために植物を用います。

それでも、小さなスズメが植物の薬用効果を知っているのは驚くべきことです。

今回調査されたのは「ニュウナイスズメ」という鳥で、東は日本、西はアフガニスタンまで広く分布します。

研究主任のCanchao Yang氏(海南師範大学)によると、「中国では、龍船節という伝統行事の際に地元民が玄関先にニガヨモギを吊るすのですが、それと同時期にスズメもヨモギの葉を巣に入れていた」とのことです。

薬を使うのは人間だけじゃない!? スズメは「ニガヨモギ」を寄生虫避けにすることが判明!
(画像=ニガヨモギを玄関前に吊るす / Credit: cell、『ナゾロジー』より 引用)

この行動の効果は、ニガヨモギに抗寄生虫物質が含まれることが原因ではないかと考えられています。

研究チームは、実際の効果を証明するために実験を行いました。