リーダーは「弱みに立ち向かう勇気」を持ちなさい

「短所を埋めるより長所を伸ばすほうが大事」という意見が主流になっている理由の一つには、「そう言ってくれる人のほうがウケがいいから」というところは間違いなくあるでしょう。

やはり人間であれば誰もが短所はあるものなので、「短所は無理に克服しなくていいんだよ。君のいいところだけを意識しなさい」と言われるほうが気持ちがラクになるし、そう言ってくれる人のほうに好感を持ってしまうのは自然な感情だと思います。

また、世の中の大半の人は「人の上に立って指導する」ステージではなく、「プレーヤーとして突き抜けようともがいている」ステージにいるので、強みを作って突き抜けることを優先せざるを得ない状態だということも背景にあるでしょう。

ですがこれを読んでいるあなたは、すでにリーダーとして人を率いているか、あるいはこれからリーダーになっていく立場のどちらかのはずです。

ゆえに、あなたにはぜひ「弱みに立ち向かう勇気」を持ってほしいと思います。

ただし、「短所に目を向ける」というのは、必ずしも「自分の苦手なことを一から十まで自分の手でやる必要がある」というわけではないことも知っておいてください。

場合によっては、その分野に適任な人を抜擢し、その人に任せながらも“丸投げ”の形にならないようしっかりと監督する、というやり方もアリでしょう。

野球チームの場合でも「名監督」と言われる人ほど、例えば現役時代にピッチャーだったからといって投手の面倒ばかり見るのではなく、打線の強化にも(有能なバッティングコーチの手も借りながら)取り組んでいるものです。

部下には「苦手な分野でクヨクヨ悩んでないで、お前の得意なことで勝負すればいいんだぞ」と励ましつつも、あなた自身は苦手な分野とも真正面から向き合う覚悟を持つことが「他のリーダーに差をつける」ための秘訣なのです。

文・瀬本 光一

文・瀬本 光一/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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