雨には、ポツポツと穏やかに降る小雨もあれば、滝のように激しい豪雨もあります。
素朴な疑問ですが、こうした違いが起きるのはなぜでしょう。穏やかな雨と激しい雨が降りやすい条件があるのでしょうか。
この疑問を解決するには、まず雨が降る仕組みを知る必要があります。
雨はどうやって降るの?
雨はすべて、「上昇気流」と「空気中の水分(湿度)」の組み合わせによって生じます。
まず最初に、太陽光によって地上の空気が暖められると、周りの空気より軽くなって上空に昇り始めます。これが「上昇気流」です。
上空になるほど気圧は低くなるので、暖かい空気は、上昇するにつれて膨張します。膨張には、熱がエネルギーとして消費されるので、空気の温度はどんどん下がっていきます。
それから、空気が含む水分量は、暖かいほど多く、冷たいほど少なくなります。
そして空気の温度が下がると、それまで含んでいた水分がはみ出てしまい、水粒として現れます。これが集まってできたのが「雲」です。
雲の中の水粒には、それぞれ上向きの「浮力」と下向きの「重力」が働いています。
水粒が大きくなって、重力が浮力を上回ると落下し、「雨」となるのです。
穏やかな雨は冬に降る?
冷たい空気は、暖かい空気に比べて、保持できる水分量が少なくなります。そのため、冬場の雲は、薄い層のような形になっており、あまり水分を含んでいません。
さらに、冬の冷たい空気は、暖かい空気より重くて地上に停滞しやすいので、上昇気流がとても弱々しいのです。
このゆっくりとした上昇気流は、上空でみすぼらしい薄い雲を作り、水分量も少ないので小さな水粒しかできません。
しかも、上昇気流は水粒を上空にとどめておくほど強くないので、水粒は大きくなる前にすぐ落下してしまいます。
その結果、冬場は雨粒が小さくて、穏やかな雨が降りやすいのです。