失敗や恥ずかしい体験には価値がある
ビジネスの原理原則に「希少性のあるものは価値が高い」があります。数が少ないものはそれだけで価値があります。
多くの人は自分を高く見せたいと思うもの。また、そうでない人も等身大でいたいと思うのが普通で、失敗談や恥ずかしい体験談を積極的に語ろうという人はほとんどいません。で、あるからこそ失敗談を語るだけで価値があるのです。投資の体験談を語るブログを見てみて下さい。
ほとんどが「短期間にこれだけ儲かった!!」「元手が少ないのに儲かった!」という体験談ばかり、下手をすると自慢をしているだけです。投資でうまくいった事例というのはよほどセンスに優れていたか、たまたま時代に恵まれていたことが多く、多くの人に再現性がないので価値提供をしていることにはならないのです。そんな自分のためにならない投資記事に辟易をしていたのですが、私はあるブログに釘付けになりました。
それは投資で大失敗をして苦しい思いをした事を書いている記事です。「こうやると失敗してしまうので、あなたは気をつけて下さい」とこういっているわけです。とても参考になります。成功例は同じことをしても再現性がないこともありますが、失敗談というのは、同じことをしなければ回避できますからそれを伝えてくれるだけでものすごく役に立つのです。多くの人が集まり、参考になったとお礼のコメントを残しているのがとても印象的でした。
自慢をしても何もメリットがないばかりか、人が離れていくだけです。失敗談やコンプレックスこそ、どんどん発信することで人を引き寄せることが出来るのです。
文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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