肩と腹筋はメンズフィジークの選手たちの間でも重視されている部位。「腕を真上に上げる」「脊柱を丸める」など、どちらのトレーニングも動作そのものはシンプルであるが「収縮ポジションで負荷が抜けてしまう」「腹筋よりも先に腰にきてしまう」という人も少なくないだろう。狙った部位にしっかりと効かせる術を鈴木雅が紐解く!

世界王者鈴木雅が教える「肩トレーニングにおける効果的なマシン別使用法」
(画像=鈴木雅選手のマシンリアデルトフライ、『FITNESS LOVE』より 引用)

肩の筋肉である三角筋は「前部」「側部」「後部」に分けられます。ショルダープレスなどプレス系種目は前部、ラテラルレイズなど腕を横に上げる種目は側部、リアデルトフライなど肘を後ろに引く種目は後部の種目になり、狙いたい部位によってその目的に合ったマシンを見極めていくことが重要になります。また、ラテラルレイズのマシンでは手首の角度によっても負荷の乗り方が変わってきます。さらには、腕の長さや肩関節のポジションなどによってマシンの軌道に動きが合わないという人もいます。そうした場合はワンハンドで行うなどして軌道を合わせていくことが必要になります。
腹筋のマシンも、その形状によって狙う場所が変わってきます。一言に「腹筋」といっても、それは正面の腹直筋、脇腹に位置する外腹斜筋・内腹斜筋、その内側にある腹横筋などで構成され、足をベンチにかけて上体を起こすような動作では腸腰筋、腹横筋など股関節のインナーマッスルも動員されます。
狙いたい部位を的確に狙うには、どのようなマシンをチョイスすべきか。それにはまず「マシンの意図」を読み解くことから始まります。それではOK例、NG例を挙げながら解説していきましょう。

◆POINT◆

・三角筋は「前部」「側部」「後部」で分けて考える
・プレス系種目は「前部」のトレーニング種目
・シートの座り方、スタート位置などが重要
・スミスマシンを使う場合は押す方向に注意

腹筋

・脊柱を丸めることで腹直筋は収縮する
・「クランチ」と「シットアップ」の違いについて
・円軌道か楕円軌道か、マシンによって軌道が異なる
・肘を閉じることで外腹斜筋も収縮する

肩のマシンについて 

他の部位のマシンと同様、肩のマシンも「前部」「側部」「後部」のどこを鍛えるものなのか、形状や軌道などで見極めていくことが重要。ベーシックな肩の種目であるショルダープレスは肩関節が外旋したポジションから真上に押し上げる動作となり、効く部位は「前部」になる。「側部」「後部」を狙う場合は、それぞれの種目を選択する必要がある。

ショルダープレス

世界王者鈴木雅が教える「肩トレーニングにおける効果的なマシン別使用法」
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

三角筋前部の種目。肩関節が外旋した(上腕を外側に捻った)ポジションから上方向に押す動作になる。動作のポイントは肩甲骨を寄せないこと。マシンの使い方としてはシートの座り方、下す位置などが重要になる。写真はノーチラスEVOのショルダープレスマシン。

ラテラルレイズ

世界王者鈴木雅が教える「肩トレーニングにおける効果的なマシン別使用法」
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

三角筋側部の種目。上腕にパッドを乗せるタイプ、肘を伸ばしてバーを握るタイプのものがある。写真は上腕にパッドを乗せるタイプのノーチラスEVO のマシン。TECA など肘を伸ばしてバーを握るタイプのものは支点(肩関節)と力点(手)の距離があるため、自分で軌道を確保していくことが重要になる。

リアデルトフライ

世界王者鈴木雅が教える「肩トレーニングにおける効果的なマシン別使用法」
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

三角筋後部の種目。肩関節が外旋したポジションから肘を後ろに引く(外に開く)動作となる。立った状態で行うタイプ、座った状態で行うタイプのものがある。座った状態で腹圧をかけずに行うと三角筋後部よりも僧帽筋に負荷がかかるので注意が必要。写真はノーチラスEVOのデルトイドフライ。

フロントプレス(スミスマシン)

世界王者鈴木雅が教える「肩トレーニングにおける効果的なマシン別使用法」
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

さまざまな種目が行えるが、今回は三角筋前部の種目であるフロントプレスを紹介。重要なのは「押す方向」。肩関節が硬い人が鉛直方向に押すと三角筋前部よりも僧帽筋に負荷が行くため、角度のついたスーパースミスマシンを使用。

鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。

執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

取材・文:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩

提供元・FITNESS LOVE

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