ファストパッキングの隆盛によって山岳用テントは軽量化の一途をたどっている。2018年シーズンはダブルウォールでありながらも本体重量が1㎏を切るテントが続々登場した。なかには本体重量がなんと465gという凄まじい製品まで現れ、テント業界を震撼させているのである。

装備の軽量化を図るなら超軽量テントを

しかし、そういった超軽量テントを北アルプス登山で使うにはリスクが大きすぎる。生地が極端に薄くてフレームも細いから、荒天に対応しきれない。またUL系テントはペグダウンしないと自立しないタイプが多いので、使用環境をかなり選ぶ。普段から使い込んでいないと現場で苦労することが多いのだ。

やはりこれはテント泊の上級者向け、ベテラン登山者向けだといっていいだろう。それでも軽さは魅力だ。とくに食料や装備品がかさむ長期縦走ではベースウエイトはなるべく削りたい。そこで、ここではある程度の耐久性と居住性を確保しながらもギリギリまで軽量化した最新ULテントを紹介しよう。

最近の流行はフライやボトムに10~15Dという超軽量生地を使っていること、ハブを使うことでポールの長さ(重さ)を徹底的に切り詰めていること、そしてインナーを極薄のフルメッシュタイプにして軽さと収納時のコンパクトさを達成していることだ。
この夏はこういった超軽量テントにも注目したい。
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

①生地

最新のULテントで主流になりつつあるのが10 ~ 15Dのシルナイロン。極薄で
軽量ながら強度に優れる。表面が滑らかで風をうまくいなし、撥水性も高い。

②フレーム形状

ハブを利用したY字形状や、竜骨のような1本ポールなど、最小限のフレームワ
ークで立てるのが特長。このモデルは足元をペグダウンする半自立型構造だ。

③ パーツ

各部の部材も徹底的に軽量化してある。このモデルはインナーテントの真ん中をコードを使ってフライと連結し、外に引き出すことで内部空間を広げている。

④ペグ

設営には通常8 ~ 16本のペグを使うのでその重量もバカにできない。軽量モデルには1本10g程度の軽量ペグが付属する。1本1gの針のようなチタンペグを使うモデルもある。

⑤ガイライン

UL系テントで主流になっているのがφ2㎜の極細ライン。強靱なダイニーマを芯材に使ったものなど贅沢なものもある。ユーザーが軽量化できる部分でもある。

超軽量テントのフレームワーク

ビッグアグネス/フライクリークHV UL1

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:765g サイズ:218×71×H97cm
問い合わせ先/ケンコー社
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

Y字フレームの短辺側に出入り口を設けた縦型レイアウト。ペグダウンしなくても自立する半自立型で、ウェッジシェイプのため軽い。ULテントのスタンダードなフレームワーク。

ニーモ/ホーネット1P

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:765g サイズ:221×102×H102cm
問い合わせ先/イワタニ・プリムス
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

Y字フレーム。天頂部近くにハブを配することで、内部空間の高さと顔回りの広さを確保している。長辺側に出入り口を設けているので、小型テントながら開放感に優れている。

フレームあれこれ

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

半円球型のジオデシックドームから1本ポールの円錐型までテントのフレームワークはさまざまだが、構造がシンプルなことと自立することから現在はX字型とハブを使ったY字型が縦走登山の主流になっている。

超軽量テントの代表作

マウンテンハードウェア/ゴーストUL1

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

本体重量:852g サイズ:205×89×H84cm
問い合わせ先/コロンビアスポーツウェアジャパン
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

自立式のダブルウォールテントで、低重心で風に強く、厳しい環境でもしっかり使える。
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

とことん無駄を省いたミニマム設計により852g を達成。軽量山岳テントのひとつの見本といっていい。

テラノヴァ/レーサーコンペティション1

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:860g サイズ:220×93×H95cm
問い合わせ先/ケンコー社
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

ULテントの代表作。設営には慣れが必要だが、インナーテント一体式のため雨のなかでもインナーを濡らさず設営できる。
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

前室が50㎝もあり見た目以上に居住性は高い。テン泊上級者におすすめ。

もっと軽くしたいなら

< シングルウォール >

モンベル/U.L.ドームシェルター1型

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:742g サイズ:210×90×H95cm
問い合わせ先/モンベル

一枚生地のシングルウォールテント(シェルター)ならもっと軽いし自立もする。しかし内部の結露が激しいことと、降雨時の換気が不便な点は覚悟すべし。

< ツエルト >

ファイントラック/ツエルト2ロング

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:340g サイズ:220×100×H95cm
問い合わせ先/ファイントラック

超軽量生地に高透湿性コーティングを施し、結露を抑えている。そのため簡易テントとして使っても快適。さらに横幅を220㎝と長くして居住性を高めている。

フロアレステント

ニーモ/スパイク1P

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:440g サイズ:295×104×H114cm
問い合わせ先/イワタニ・プリムス

2本のトレッキングポールを流用することで重量わずか440gに抑えた1人用シェルター。テンショニングラインを採用することで設営も簡単にできる。

ちょっと変わった変形テント

MSR/フライライト

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:710g サイズ:140×208×H112cm
問い合わせ先/モチヅキ

入り口の両端にトレッキングポールを、背面に付属ポールを使うシングルウォールシェルター。箱形のデザインは重量に対して驚くほど広く快適だ。

ゼログラム/エルチャルテン2Pプラチナムテント

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:1,560g サイズ:210×130×H100cm
問い合わせ先/ユゼン

フライ、インナーテント、フットプリントの3つがあらかじめセットしてあり、フックをポールにかけるだけで設営が完了する。通年を通して使用が可能。

エクスペド/ベラ1エクストリーム

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

重量:1,500g サイズ:245×112×H95cm
問い合わせ先/アクシーズクイン

インナーテント一体式で中央のポールスリーブにポールを通し、両端をペグダウンして立ち上げる。両サイドにも短いポールが入る。低重心なので風に強い。

帰ったら行なおう。テントの洗い方

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

フライや本体を物干しなどで干している人がいるが、面倒がらずにポールを入れて組み立てて乾かすのが正解。こうすると内部に空気が循環して短時間でしっかり乾く。
 

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

ボトムの泥や汚れはブラッシングしてしっかり落とそう。この時に生地の傷みや穴などをチェックすれば次回の山行でトラブルに見舞われずにすむ。

ほっておくとこうなる! 加水分解が起きないように

(画像=FUNQ/PEAKSより引用)

フライやボトム生地には防水のためのポリウレタンコーティングが施されているが、濡れたままで保存すると加水分解してボロボロになる。ちゃんと乾かそう。

提供元・FUNQ/PEAKS
 

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