サムスン電子がスマートフォンアプリケーションプロセッサー(AP)競争で苦戦を免れずにいる中で、エクシノス(Exynos)に代わる「Galaxy専用」チップセット開発で突破口を用意するという方針であり、今後の成り行きが注目される。韓国メディア「アジアタイムズ」が報じた。(写真:サムスン電子のExynos2100=サムスン電子)
原文記事:https://www.asiatime.co.kr/article/20220614500069

サムスン電子はモバイルAP市場で過去クアルコムと競争するほど繁盛したが、最近メディアテックとクアルコムの先頭構図が固着化した市場で不振を繰り返してきた。今年第1四半期、メディアテックとクアルコムが30%を超えるシェアで1、2位を占めた反面、サムスン電子エクシノスは一桁のシェアで5位に止まった。

これはGalaxy Aシリーズの一部にエクシノスチップセット搭載で出荷量が増えたが、主力モデル「Galaxy S」にクアルコムスナップドラゴンを採用した結果と解説されている。サムスン電子は最近、2025年の完了を目標にGalaxy専用AP開発に着手し、不利な市場状況打開とスマートフォン性能最適化に拍車をかける計画だ。

14日、業界によると、市場調査会社カウンターポイントリサーチは最近、今年第1四半期のグローバルスマートフォンAPシェア統計報告書を発刊した。

この期間、出荷量基準でメディアテックが38%シェアで1位を記録した。メディアテックは、5G平均販売単価(ASP)の上昇とディメンシティ9000シリーズの販売好調が目立った。続いてクアルコム(30%)、アップル(15%)、UNISOC(11%)、サムスン電子(5%)が後に続いた。

売上基準で見ると、クアルコム(44%)が2位のアップル(26%)と大きな格差を見せ、1位に上がった。続いてメディアテック(19%)、サムスン電子(7%)、UNISOC(3%)の順だった。高価製品群を主に扱うアップルとクアルコムが出荷量集計に比べて順位が上昇した。

モバイルAPの首位争いから遠ざかったサムスン電子、突破口となる次の一手は
グローバルモバイルAPの市場シェア(カウンターポイントリサーチ)(画像=『コリア・エレクトロニクス』より 引用)

昨年に続き、サムスン電子の不振は続いた。昨年第4四半期のサムスン電子グローバルスマートフォンAP市場シェアは4%で、今年第1四半期の統計と大きな差がなかった。

サムスン電子はこれまで中低価格AP「エクシノス1280」を発売し、これをGalaxy A33、Galaxy A53、Galaxy M33(以上5G)など普及型端末に集中投入した。ただ、Galaxy S22にクアルコムスナップドラゴンが大挙採用され、メディアテックAPが他のGalaxy A製品群に使われ、端末販売量に比べてチップセットシェアが落ちる状況が続いた。

反復記号のように繰り返される状況で、サムスン電子側も最近、刃を抜いた。業界によると、サムスン電子は今後、Galaxyスマートフォンシリーズに装着する専用AP開発に入った。これまでアップルのバイオニックSoC(システムオンチップ)のような専用APが必要だという声はあったが、サムスン電子が開発に乗り出したのは初めてだ。

クアルコム、メディアテックなどからAPの供給を受ける代わりに、新しいGalaxyオーダーメード型APを独自開発し、性能と市場販売効率性を高めるという腹案だ。サムスン電子の独自AP搭載初スマートフォンは2025年に公開される「Galaxy S25」になると予測された。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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