賃金が上昇しない中でのインフレ懸念によって、将来の経済的な不安が高まっています。そんな中、日銀の黒田総裁が世論の批判にさらされています。

そのきっかけは今月上旬に「家計が値上げを受け入れている間に、良好なマクロ経済環境をできるだけ維持し、賃金の本格上昇につなげていけるかが当面のポイントだ」と発言し、後に撤回に追い込まれたことです。値上げ容認発言と受け取られた結果、庶民感覚をわかっていないという怨嗟の声につながったのです。

確かに、これまで黒田日銀総裁が続けてきた「異次元緩和」金融政策には賛否両論があります。

しかし、その政策自体ではなく、プライベートに関して、根掘り葉掘り調べて、「上級国民」などと批判するメディアが増えているのは、単なる嫉妬以外の何物でもありません。、

例えば、日本人の平均年収は403万円に過ぎないのに、黒田総裁の年収は2021年で3501万円という比較。

世界の主要国の金融政策の責任者であるにもかかわらず、わずか年収数千万円で働いていていること自体、ボランティアのようなものです。日銀総裁と日本人の平均を比較すること自体、ナンセンスです。

そして、黒田氏の自宅は東京都世田谷区内にある築14年、91平方メートルの低層マンションに住んでおり、私鉄駅から徒歩3~4分と、住居まで調べ上げています。マンションの資産価値は1億円以上で、2015年に現金購入しているそうです。

こちらも、日本経済にこれだけの貢献をしている金融界のトップが、この程度かというのが実感です。

物価が上がったからといって、その怒りを日銀総裁のせいにして、プライベートをあぶり出して嫉妬心丸出し。そんなダメダメ日本人が、日本の衰退を加速させているのです。

人生は誰と付き合うか、誰と付き合わないかで決まります。

自分は何も努力もしないで、他責にするだけ。人の足を引っ張ることしか考えないネガティブな日本社会の縮図のような人たちとは、関わってはいけません。一緒に貧乏になっていくだけです。

自己責任で、自分ならどうすると真剣に考え、行動できるような、ピンチをチャンスに変えられる人たちとお付き合いすることです。

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年6月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

文・内藤 忍/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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